2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500479
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
松尾 崇 神奈川工科大学, 創造工学部, 教授 (00165771)
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Keywords | 脳血流 / 中大脳動脈 / 超音波ドップラ / 連続血圧測定 / 運動負荷 / 作業負荷 |
Research Abstract |
昨年度購入した超音波ドップラ血流計、指先での連続血圧測定装置、および今年度補助金によって購入した携帯型心電計のデータを同時に測定できるパソコンシステムを構築した。この測定システムを用いて次の測定を行った。 (1)自転車エルゴメータにより、運動を負荷した場合について、中大脳動脈血流波形の計測を行った。得られた血流波形について、血行力学的解析(流速変動度、抵抗指数、瞬時心拍数の変動)を行った。また運動時の血圧と血流の相関、心拍数と血流の相関について解析を行った。運動負荷は漸増負荷であり、0ワットから220ワット(W)までの負荷、さらにその後のクーリングダウン時に測定を行った。測定開始から、最高、最低および平均血流速度はともに増加傾向を示した。しかし強い運動負荷(>125W)では、負荷が増加してもこれらの量はほぼ一定の値となることが分かった。クーリングダウンに入ると、それぞれの血流速度は減少していくが、減少率は、最高、最低、平均血流速度において、それぞれ異なる傾向を示した。 流速変動度は、安静時から運動4分(約125W)まで増加し、その後は大きな変化はなかった。クーリングダウンに入ると、クーリングダウン3分まで変化はなく一定の値を保ち、その後減少した。抵抗指数は運動開始直後に急激に増加し、クーリングダウンが終了するまでゆるやかに増加した。抵抗指数がクーリングダウン時も増加した理由として、最高血流速度が減少していくと同時に最低血流速度も減少し、その減少率が大きいことが考えられた。この現象は今回初めて明らかになった。 (2)作業負荷(荷重負荷)時の連続血圧測定: 立位で荷物(15kg重)を両手で前に支える場合と、同じ荷物を背中に背負う場合について、指先で連続的に血圧を測定した。その結果、血圧の変動のしかたが中大脳動脈血流の変化と同じ傾向を示すことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、超音波ドップラ法を用いて、姿勢変換、運動負荷、作業負荷の条件下で中大脳動脈血流波形および指先血圧の連続測定を行う。得られた血流波形について血行力学的な解析、血流―血圧間の相関解析を行い、能動的活動時の脳血管内血流特性を明らかにすることが本研究の目的である。 この目的のために、ヒトの動作時も安定して中大脳動脈での血流を測れるように、測定装置の改良を行ない、一連の姿勢変換において血流波形の測定を行った。さらに測定結果を血行力学的に解析した。また、作業負荷(荷重負荷)の実験として、荷物の持ち方による脳血流への影響を調べた。同じ荷重でも、荷重の保持しかた(背負うか手で前に持つか)により、脳血流への影響が異なることを明らかにした。血流波形については、当初の予定通りの成果が得られている。血圧測定については、連続血圧測定法を整備し、測定結果が出始めた。しかし、中大脳動脈血流と連続血圧の同時測定は未だ成功していない。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)今後の課題として、動作時の連続血圧と中大脳動脈血流の連続測定を同時に行う必要がある。運動・動作時に安定して測定できるよう、血流センサーと血圧センサーの取り付け法を検討する必要がある。 (2)自転車エルゴメータによる運動負荷時の測定: 実験前安静時、運動負荷中、負荷後安静時において、中大脳動脈血流測定、血圧(指先での)連続測定を行う。運動負荷の血行力学的な影響(血流変動度、抵抗指数、血管壁ズリ応力など)について考察する。さらに、血流変化と血圧変化との関係が、運動強度にどのように影響されるか考察する。特に強い運動負荷後のクーリングダウンにおける脳血流特性に着目する(クーリングダウン時に血流波形が大きく変化することがこれまでの研究で分かっている)。 (3)作業負荷(介護動作の模擬実験)の実験: 立位からのしゃがみ込み、荷物( 5-20kg重、3種類程度 )の持ち上げ、下ろし、休憩の連続動作を被験者に行わせる。作業負荷の間、連続的に中大脳動脈血流計測、指先血圧計測を行う。またビデオカメラによる動作の同時記録を行う。瞬間的な血流の変化に着目して解析する。作業負荷の血行力学的な影響、血流変化と血圧変化との関係、瞬時心拍数との関係について調べる。作業負荷の身体への影響について考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人件費・謝金を計上していたが、大学経費より支出したため次年度使用額が生じた。 (1)連続血圧測定、中大脳動脈血流波形、心電図を同期して測定するシステムを改良し、ビデオによる動作画像および加速度変換器のデータを同期して記録できる装置に改良する(ビデオカメラ、各種生体センサ、電子部品等を購入する): 合計50万円。(2)学会発表旅費(国内2回) 13万円。 (3) 論文投稿料および論文別刷り代:合計10万円。(謝金)9万円。
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Research Products
(4 results)