2013 Fiscal Year Research-status Report
免疫制御遺伝子Ly49を欠損した新しい免疫疾患モデルラットの確立
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24500484
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
山田 俊幸 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20183981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土田 成紀 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20142862)
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Keywords | 弘前へアレスラット / 胸腺 / 制御性T細胞 / B1-B細胞 / 樹状細胞 / Ly49s3遺伝子 / ケモカイン |
Research Abstract |
(1)昨年度より進めていた実験により、弘前へアレスラット (HHR) 胸腺内での制御性T細胞 (nTreg) の分化抑制は予想通り胸腺樹状細胞からの Ly49s3 遺伝子の発現消失が原因のひとつであるという結論に達した。この結果は英文論文として発表した (Yamada T, et al., J Immunol, 191:3799-3809, 2013)。 この論文を発表後、Receptor & Clinical Investigation 誌より我々の研究について紹介する機会を提供され、同誌に Research highlight として寄稿した (Yamada T, et al., Receptor Clin Invest, 1:101-111, 2014)。 (2)HHR 胸腺内に存在する成熟 B細胞が B1-B細胞であることの証明については、FACS を用いた解析により HHR 胸腺内には正常動物 (SDラット) に比べて B1-B細胞の特徴である細胞表面に CD5 と IgM を共に発現する細胞が多く含まれることが示された。また HHR 胸腺では B細胞の誘引と定着に関わるケモカインである Cxcl13 や Ccl19 の遺伝子発現が亢進していることも示された。これらのことから、HHR 胸腺には B1-B細胞が定着し成熟しているものと推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度以降の実験計画のうち「Ly49s3 遺伝子が HHR の免疫異常の原因遺伝子であることを示す」については、胸腺樹状細胞からの Ly49s3 遺伝子の発現消失が nTreg の分化抑制の原因のひとつであることを証明し、英文論文として発表した。 また「HHR 胸腺に存在する成熟 B細胞が B1-B細胞であることを証明し、HHR 胸腺樹状細胞の B1-B細胞に対する誘引能や分化誘導能を探る」についても順調にデータが集まっている。 以上のことから、研究の目的はほぼ予定通りに達成されていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降も申請書に述べた研究計画に従い研究を推進する。「胸腺樹状細胞や胸腺の移植実験を通じて免疫異常の原因が胸腺樹状細胞にあることを示す」を実行する予定である。
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