2013 Fiscal Year Research-status Report
誘導型および恒常型好中球欠損マウスの樹立にもとづくアレルギー性炎症の解析
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24500501
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
神沼 修 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 主任研究員 (80342921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 邦枝 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 主席研究員 (40291158)
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Keywords | 疾患モデル |
Research Abstract |
当初の研究実施計画に準じ、前年度樹立したIL1f9およびFoxD4プロモーターによってDTRの発現が制御された(TRECK)マウスについて、DTを投与して好中球を除去または著しく減少させる条件を検討した。すなわち、これまでの申請者らの業績で用いたDT投与条件を参考として、その用量依存性や時間経過について解析した。FoxD4-DTRマウスについては、樹立できた4系統全てにおいて、正常個体に影響を与えない最大量のDTを投与しても末梢血およびリンパ節中の好中球数減少はみられなかった。一方IL1f9-DTRマウスについては、樹立できた3系統中1系統において、DTを投与することにより末梢血好中球数の有意な減少が認められた。しかしながらその変化量はDT非投与群の50%未満程度と大きくなかった。 そこで当初計画を若干変更し、再度網羅的マイクロアレイ比較解析を行って新たな好中球特異的発現分子MAPK13およびLrg1を抽出した。マウスゲノム配列情報をもとに特異プライマーを設計・合成して両遺伝子のプロモーター/エンハンサー領域をクローニングし、それらの下流にDTRの翻訳領域とイントロンおよびポリAシグナルを連結したコンストラクトを作製した。それを直線化してマウス受精卵雄性前核にマイクロインジェクションし、偽妊娠ICRマウスに移植して産仔を得た。各マウスのゲノムDNAを鋳型とした導入遺伝子特異的プライマーによるPCR、ならびに末梢血より調整したRNAを鋳型としたDTR特異的プライマーによるRT-PCRによって、遺伝子導入が確認されたMAPK13-DTRおよびLrg1-DTRマウスそれぞれ3および4系統を得た。いずれも正常マウスと交配して維持・繁殖させ、系統保存のために受精卵を凍結保存した。 また好中球欠損マウスの解析に利用するT細胞依存性アレルギー性炎症モデルについての基礎的検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に準じて好中球除去条件の検討を行った結果、DT投与により好中球の減少がみられたのが1系統のみに止まり、その減少程度も大きくなかった。そのため当初計画を若干変更し、前年度の実施内容に準じて新たに2種類のマウスの樹立に取り組んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに遺伝子導入が確認されたDTR発現Tgマウス系統にDTを投与し、好中球を除去または著しく減少させる条件を決定する。至適条件を決定した後、骨髄やリンパ組織等、他の好中球プール中における数や比率の変化も確認する。また他の細胞種に与える影響を検討することによって、細胞除去効果の好中球に対する選択性を確認する。 その結果、好中球を80%以上除去し、他の細胞種に与える影響が10%未満であったマウスを用いて、申請者らの業績に従い、T細胞依存性アレルギー性炎症反応およびIgE依存性アレルギー性皮膚炎症反応モデルを中心に、アレルギー性炎症および他の炎症性疾患モデルにおける解析を実施する。
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Research Products
(9 results)