2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織病態検出のための散乱光ゆらぎイメージング技術の確立
Project/Area Number |
24500504
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 吾朗 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (30218193)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 拡散干渉分光法 / 光子相関法 / 蛍光相関法 / 生体分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体組織の血流速あるは弾性的性質のイメージングを行うための手法の確立として、前年度までにマルチチャンネルの光子相関計数システムを試作した。本年度は、パルス入射光の散乱光時間応答関数との同時測定による光学定数の同定を行い、定量的イメージングへの基礎技術を確立した。また、光子相関計数システムの検証のために近赤外蛍光ゆらぎ測定を行い、近赤外蛍光分子の定量法への応用を議論した。最初に近赤外蛍光ゆらぎの測定により、光子相関システムが1ns近い時間分解能を有し、時間分解計測と相関計測を同一のシステムで計測可能であることが示された。しかし、ラット組織の計測には時間分解能が不足するため、相関測定と時間分解測定は別々のシステムで同時に測定する系を作ることにした。同一の単一モード光ファイバに単一縦モードレーザとピコ秒レーザパルスを入射し、全く同じ光学系で組織などの試料に光を照射した。検出ファイバに接続した検出器からの信号を2つに分け光子相関測定と時間分解測定を並行して行った。その結果時間分解計測から光学定数を決定しつつ同時に散乱体の動態を知る光子相関も測定できる新しいシステムができた。
in vivo計測としてラット腹部について計測した。時間分解計測から得られた散乱係数吸収係数は、別のさらに速い時間分解計測システムで計測したものとかなり異なった。そのため散乱係数と吸収係数の定量的な評価は断念し、光学パラメータの変化の指標として時間分解計測の結果を解釈することにした。その結果死亡時のラット腹部の経時計測から、光学定数の変化は少ないにもかかわらず相関関数の遅い部分に大きな変化が見られ、循環の停止によるもの以外に、組織の粘弾性的性質が変化していることが示唆された。最終的に複数の点での計測を行い、相関関数の減衰時間でのマッピングにより動態のイメージングを行うことができた。
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Research Products
(4 results)