2014 Fiscal Year Research-status Report
拡散強調磁気共鳴像に基づく側脳室内脳脊髄液温度測定方法
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24500508
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
酒井 晃二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20379027)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 磁気共鳴像 / 脳 / 側脳室 / 拡散 / くも膜下出血 / 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、すでに多くの施設で臨床のルーチン測定として用いられているMRI測定方法の一つである拡散テンソル画像(Diffusion Tensor Image:DTI)を解析することにより「脳深部温度」という新たな鑑別項目を提供することを目的とする。ファントム測定によりDTI撮像パラメータの最適値を得て、それらを臨床測定に適用する。さらに、データ解析手法を開発し、適正な値を提出して脳内の代謝や病態把握のための新たな指標を温度という馴染みやすい値で提供する。 平成26年度は、温度をコントロールできるMRI用ファントムを作成し、出血の状況の一部を再現した。具体的には、脳出血時に温度測定に影響すると考えられる血液内の蛋白質濃度の影響を調査した。また、それらの実際的な状況として、くも膜下出血患者の出血程度、出血位置がどのように脳温測定に影響を及ぼすかを調査し、初期の検討結果を得た。側脳室内および側脳室に連続する脳脊髄液内に多量の出血が認められる場合には、温度測定の対象となる脳脊髄液の拡散係数に影響を与えることが観察された。 また、実症例への適用として、精神疾患患者の脳活動と脳温度の影響について一定の知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究当初より以下の4つの目的を設定している。(目的1)ファントムによる基礎検討、 (目的2)健常者への応用、(目的3)自動算出方法の検討、(目的4)病態把握への応用。これらのうち、すべての目的において一定の成果を得ている。しかしながら、それぞれにさらに詳細に検討すべき項目が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにも(目的1)から(目的4)において、実施済みではあるが、(目的2)においては、さらに拡散に及ぼす流れの影響について、体温周期への応用など人体現象の仕組みと温度の関係についても調査する。(目的3)は、概ね完成し、一部の施設に提供しているが、さらに改善が必要である。(目的4)においては、予定していた疾患以外についても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
前任地においてエフォート管理上、旅費を伴う出張に使用できる日数が限定されていた。そのため、当初予定していた出張を取りやめたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験用品、論文校閲などに使用する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Altered coupling of regional cerebral blood flow and brain temperature in schizophrenia compared with bipolar disorder and healthy subjects2014
Author(s)
M Ota, N Sato, K Sakai, M Okazaki, N Maikusa, K Hattori, H Hori, T Teraishi, K Ito, K Yamada, H Kunugi
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Journal Title
Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism
Volume: 34
Pages: 1868-1873
DOI
Peer Reviewed
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