2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 正信 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (20338312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 雅行 横浜市立大学, 大学病院, 教授 (00092073)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 病理組織 / 診断支援 / 画像解析 |
Research Abstract |
【目的】病理組織の画像解析において,通常の明視野を含む複数の撮像法を活用した画像解析手法を実現するとともに,撮像法を変えて複数回撮影する代わりに,それらの合成画像を一度に撮影できる新しい撮像法(合成撮像法)を実現する.そして,それら実現した機能を利用し,診断支援機能を実現する.さらに,病理診断時の観察法としての合成撮像法の有用性も評価する. 【研究成果】H24年度は,合成撮像法について検討し,顕微鏡の3種類の撮像法(明視野,暗視野,位相差)について,遮蔽板を利用することで,それらとほぼ同等な撮像ができる撮像法(擬似明視野,擬似暗視野,擬似位相差)を実現した.HE染色標本の同じ領域について撮像し,画素値の誤差を評価する実験を実施し,従来の撮像法とほぼ同等な画像を撮影できることを確認した. また,遮蔽板の一部にNDフィルタを用いることで,3種類の撮像法の合成画像を一度に撮影する撮像法を実現した.そして,別々に撮影した画像を計算機により合成した画像と合成撮像法により一度に撮影した画像の画素値の誤差を評価する実験を実施した.その結果,3種類の撮像法を全て組み合わせる場合を含め,任意の組合せについて画素値の平均誤差を10程度以内で合成撮影できることを明らかにした. 病理組織標本の構成要素の特性測定については,肝臓と胃の病理組織標本の構成要素について,主に画素値の分布を測定し,明視野では差が小さい場合でもあっても,暗視野や位相差などの他の撮像法では差が大きい場合があることを確認した.画像解析に関しては,肝病理組織標本画像中の核位置を自動選別し,核密度を平均誤差15%程度で自動的に算出する機能を実現した.また,明視野と暗視野を合成することで核位置と核の輪郭抽出精度を改善できることを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
顕微鏡の3種類の撮像法(明視野,暗視野,位相差)の合成画像を一度に撮影できる合成撮像法を実現できた.また,複数回に分けて撮影した画像を計算機で合成した画像との画素値の誤差も小さいことを確認できた.さらに画素値の分布などを測定し,従来の明視野以外の撮像法を利用することで情報量を増やせることを確認した.そして,核位置の自動選別機能を実現するとともに,合成画像により核位置と核輪郭の抽出精度を改善できることを明らかにするなど,当初の予定どおり順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、色フィルタなどを利用した合成撮像法についても検討し、重み付き加算以外の合成画像の撮像法を実現する。具体的には,負の重みによる合成画像の実現などを検討する予定である.そして、24年度に実現した基本的な解析手法を改善すると共に、診断に有用な特徴量を算出する手法を実現する.対象とする病理組織としては,肝臓以外に胃についても検討する.さらに,病理組織の観察法としての合成撮像法の有用性についても評価する.具体的には,様々な撮像法による画像を合成した画像を作成し,従来の明視野よりも有用な情報が得られないかを検討する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
色フィルタなどを利用した合成撮像法について検討するため,色フィルタやそれらを加工する費用に利用する予定である.また,遮蔽板の代わりに空間光変調器を利用することも考えられるため,安価な空間光変調器が入手可能であれば購入したい.さらに,画像解析に必要な計算機の部品代なども必要となる.また,国際会議などでの研究成果の発表や研究成果を公開するためのホームページ作成,管理費用,標本作成費用にも利用する予定である.
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