2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
八名 和夫 法政大学, 理工学部, 教授 (50138244)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心拍変動解析 / 生体信号処理 / スペクトル解析 / 心臓突然死 / 心電図 / データ平滑化 / 瞬時心拍数 / スプラン関数 |
Research Abstract |
本年度はRRインターバル系列から瞬時心拍数を推定する新たな手法として重み付きスプライン平滑化を応用する手法を開発し、定常な系列に対しては従来優れた手法として知られるDCSI法と同等の精度を得ることができた。また、非定常な系列に対して早い変化にも柔軟に追従できることを確かめた。応用研究として心臓突然死のリスク評価の新しい指標として24時間ホルター心電図記録から計測されるRR間隔とQT間隔の相互エントロピーが有効であることを示した。また、心拍変動の差分スペクトルを用い自律神経状態を分類する手法を開発した。薬物投与により副交感神経、交感神経を選択的にブロックした情報を作り観測された心拍変動データをHF, LF/HF, MF,帯域エントロピーなどの指標を用いてニューラルネットワークにより分類し、感度、特異性いずれも85%以上の良好な分類性能を得た。今後、ストレス評価やマンマシンインターフェースの生体親和度の評価などに広く応用可能な技術である。研究成果は2012年8月28日から9月1日米国サンディエゴで開催された第34回IEEE医用生体工学国際会議(EMBC2012)等で発表した。本年度発表論文件数は国内学会3件、国際会議(査読付き)2件。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していなかった新たな瞬時心拍推定手法を開発することができた。この方法はあい続くR波発生時点の中点にRRインターバルの逆数を置き、重み付きスプライン平滑化した関数を瞬時心拍数とするものである。この手法により従来最も優れた手法とされているDCSI法と定常系列において同等の推定精度が得られるとともに、変化の大きな部分について、より優れた追従性を得ることができる。本手法は24時間心電図記録において睡眠から覚醒に状態遷移する部分の解析等に有効である。また、当初の予定にない応用例としてRR間隔とQT間隔の相互エントロピーが心臓突然死のリスク評価の新しい指標となり得ることを示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度新たに開発した重み付きスプライン平滑化を応用した瞬時心拍数推定手法の評価検証を重点的に行う。特に異なるハーストパラメータを持つ長期相関を有する心拍変調過程の推定精度を定量的に分析、評価する。応用研究としては心臓突然死リスク評価、糖尿病患者の病態評価等を日本医大と共同で進める。研究成果はIEEE 医用生体工学国際会議、ME学会大会等で公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は主に理論的な研究及び昨年度収集した生体信号データ処理を行う。研究費としては成果報告のための学会出張費、追加実験棟に用いる電極などの消耗品等が主となる。
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Research Products
(5 results)