2013 Fiscal Year Research-status Report
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24500518
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
八名 和夫 法政大学, 理工学部, 教授 (50138244)
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Keywords | 心拍変動解析 / 生体信号処理 / スペクトル解析 / 心臓突然死 / 心電図 / データ平滑化 / 瞬時心拍数 / スプライン関数 |
Research Abstract |
本年度は、RRインターバル系列から瞬時心拍数を推定するあらたな手法として昨年度開発した、二段階にわたる解析手法をさらに発展させた。すなわち Step 1: RR生起時刻中点に当該RRインターバルの逆数を対応させた不等間隔瞬時心拍数列を作成 Step 2: 重み付きスプライン平滑化により等間隔サンプルを得るものである。本年度は重み関数を平滑化瞬時心拍数の推定値とStep 1で得られるオリジナル系列とのかい離度により適応的に決定する手法を考案し検討した。具体的には時点t 前後の一定時間Tにおける平滑化データと観測値の差(いずれも不等間隔)の二乗平均誤差がある閾値を超えた場合に超過分に比例して重み係数を増加させる。この適応的重み関数決定によりDCSI(Derivative of Cubic Spline Interporation)法、Berger法等従来法に比較して特にHF領域のスペクトル推定精度を向上させることが期待される。研究成果は、専門論文誌 (Heart and Bessels、1件)、IEEE 国際会議(35th Annual International Conference of the IEEE EMBS 1件)、日本ME学会(The 52nd Annual Conference of Japanese Society for Medical and Biological Engineering (JSMBE)2件),日本ME学会専門別研究会( 第48回日本生体医工学会生体信号計測解釈研究会) 3件、第8回動的心電図研究会1件、等で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の成果をもとに、専門ジャーナル論文や国際会議等で8件の論文発表(内4件は英文)を行うことができた。申請時には予定していなかった重み付きスプライン関数を応用した高精度瞬時周波数推定法を開発しその特性を明らかにしつつあることも特筆できる成果と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において新たに開発した適応的重み付スプライン関数を応用した瞬時心拍数推定手法の特性を詳細に評価し公表する。本年度は手法の開発に重点的に取り組んだが、今後異なるハーストパラメータを持つ時系列を心拍変動変調過程と想定した計算機シミュレーションにより詳細の特性評価を行い、従来法であるDCSI法やBerger法と比較検討を行う。さらに、応用として日本医大との共同研究により提供される、心臓突然死リスク別ホルター心電図記録、糖尿病患者の心電図記録等へ応用することにより、計算速度等を含めた実用的な側面の評価も行う。最終年度となるため、成果のとりまとめと公開にも重点的に取り組む予定である。
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Research Products
(8 results)