2013 Fiscal Year Research-status Report
人工血液カクテルによる胎児慢性低酸素症の治療法開発
Project/Area Number |
24500525
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
李 コウ 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 科研費研究員 (70621994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 真澄 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 部長 (70203198)
酒井 宏水 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70318830)
太田 英伸 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的障害研究部, 室長 (80422103)
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Keywords | 人工赤血球 / 胎児低酸素症 / 胎児脳 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「人工酸素運搬体」というナノマイクロ人工臓器を利用したアプローチにより、「妊娠高血圧症候群」に伴う重篤な胎児慢性低酸素症を改善する新しい治療法を開発することである。本研究では、第一のステップとして、①妊娠ラットにNO阻害剤を投与し胎盤血管を狭小化することにより「妊娠母体の持続高血圧動物モデル」を作成する。第二のステップとして、②この狭小化した胎盤血管においても十分な酸素供給を確保するため、通常の赤血球よりサイズの小さい「人工酸素運搬体」することにより単位血管当りの血液流量を増加させ、妊娠末期の胎児慢性低酸素症を改善する。また、③合わせて「人工酸素運搬体」の胎児組織に対する安全性を確認する。 これまでに①「妊娠母体の持続高血圧動物モデル」の作成は終了し、NO阻害剤にて妊娠ラットに高血圧が持続することをテレメトリー血圧測定装置にて確認している。また②「狭小化した血管」の評価については、有機溶媒メルコックスにて胎盤血管の型取りを行い、3次元計測装置にて血管径の測定を行った。また「人工酸素運搬体」の用量依存的に投与を開始し、胎児の成長・発達に与える影響、低酸素状態の評価を行った。本年度は、胎児慢性低酸素症を改善するための「人工酸素運搬体」の最適投与量を決定する同時に、「人工酸素運搬体」の胎児組織に対する安全性を確認した。来年度末までに「人工酸素運搬体」が妊娠母体モデル動物において「妊娠高血圧症候群」の状態を解除できるか、最終的な結論を出す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は既に「妊娠母体の持続高血圧動物モデル」の作成し、「人工酸素運搬体」を用量依存的に投与し、胎児の成長・発達に与える影響、低酸素状態の評価を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
胎児慢性低酸素症を改善するための「人工酸素運搬体」の最適投与量を決定し、可能ならば人工血液カクテルの製作、ラット母体への試験的使用を開始する。「人工酸素運搬体」が妊娠母体モデル動物において「妊娠高血圧症候群」の状態を解除できるか、最終的な結論を出し、論文を作成する。
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Research Products
(1 results)