2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500530
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
保住 建太郎 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10453804)
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Keywords | バイオマテリアル / 細胞外マトリックス / ペプチド / 幹細胞 / 基底膜 / ラミニン / インテグリン / 国際情報交換 |
Research Abstract |
マトリゲルはラミニンやコラーゲンなどから構成される可溶化細胞外マトリックスで、近年様々な細胞工学的実験に汎用されているが、マウス腫瘍由来のため医療分野への応用は不可能である。申請者はこれまで合成ペプチドと組換えタンパク質を用い、マトリゲルの中心的成分であるラミニンの機能解析や機能部位の同定、さらにはラミニンの機能を模倣した合成ペプチド-高分子多糖複合体を開発してきた。本研究は、これまでの研究を更に推し進め、約60種類のラミニン由来活性ペプチドと物性の異なる高分子多糖を用いてファインチューニングし、実際の医療現場で応用可能な合成マトリゲルの創製を目的にしている。H25年度はマウス幹細胞の培養を開始し、ラミニン活性ペプチド-高分子多糖の幹細胞分化に与える影響の検討を開始した。これまでの検証から、ラミニンα2鎖由来の活性ペプチドを固定化した複合体が神経細胞への分化を誘導することを見出してきているが、現在、詳細を検討中である。また、マトリゲルの主要成分であるLaminin-111を構成するラミニンα1鎖、β1鎖、γ1鎖由来ペプチドを混合した場合の検証も引き続き検証中である。共同研究として、ラミニンペプチド-ヒアルロン酸ゲルの開発、混合ペプチド-キトサン膜の作製に大きく関与すると同時に、ラミニンとがん細胞との相互作用についても報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラミニン由来の活性ペプチドを用いて、人工マトリゲルの作製を目指した。ラミニンはその分子内に多数の活性部位を持つために、RGDなど、1つの活性部位を固定化した機能性材料では、その機能を模倣するのは難しいことが予想される。そこで、ラミニン由来の異なる活性を持つペプチドをキトサンマトリックスに結合させることで、ラミニンの機能を模倣することを試みた。ラミニンα1鎖由来のシンデカン結合ペプチドを、他のラミニン由来インテグリン結合ペプチドと混合固定化すると、混合することによって有意に細胞接着活性と細胞進展活性が促進されることがわかった。 また、高分子多糖マトリックスのin vivoへの応用を目指し、生体にも存在する高分子多糖であるヒアルロン酸を用いて混合ペプチドマトリックスを作製したところ、神経細胞への分化を誘導し、増殖は抑えることがわかってきた。今後の研究でさらなる検証を進めていく。以上の結果を鑑みると、いずれの成果も研究目的に対して、おおむね順調に伸展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
合成マトリゲルの作成にあたり、次年度は以下の2つをターゲットとして研究を推進していく。1,幹細胞特異的なペプチド混合比の最適化;これまでの検証から、幹細胞の神経細胞への分化を促進するが、増殖は促進しないペプチドのあることが判ってきた。今年度は、これを更に検証するとともに、未分化能を維持するペプチドにもフォーカスを当てて、それぞれの活性にあった混合ペプチド-高分子マトリックスの開発に向けて検討を行う。2,細胞特異的なペプチド混合比の最適化;これまでの線維芽細胞を用いた検証から、異なるインテグリンとの結合活性をもつペプチドを混合すると特異的な組み合わせでは細胞接着活性が有意に減少することがわかった。この現象を突き止めるとともに、表皮細胞、神経細胞、腺細胞の接着、伸展、分化など細胞特異的な混合ペプチドの組み合せに関して、検証を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度は計画に沿って、マウス幹細胞や培地等を昨年度に加えて購入した。それ以外に関しては、昨年度とほぼ同様にペプチド合成試薬、高分子多糖、細胞培養試薬等を購入しており、約六万円を繰り越したが、ほぼ計画通りに使用した。 繰り越した約六万円は新規細胞株を購入にあてる予定であり、次年度の研究開始と同時に発注予定である。その他に関しては、申請時の計画通りに消耗品、旅費、論文投稿費などに使用していく予定である。
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Research Products
(13 results)