2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500530
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
保住 建太郎 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10453804)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ラミニン / 細胞外マトリックス / 基底膜 / マトリゲル / ペプチド / インテグリン / バイオマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
マトリゲルはラミニンやコラーゲンなどから構成される可溶性細胞外マトリックスで、近年様々な基礎研究分野で汎用されているが、マウス腫瘍由来のため医療分野への応用は難しい。申請者はこれまで合成ペプチドを用いてラミニンの機能を模倣した合成ペプチド-高分子多糖マトリックスを開発してきた。本研究計画では、動物由来の成分を含まない細胞外マトリックスとして、合成ペプチド-高分子多糖マトリックスを用いた合成マトリゲルの創製を目指した。最終年度の目標とした2つのアプローチのうち、①ペプチド混合比の最適化では、細胞および生物活性によって最適なペプチド混合比が異なることを示した。特に、インテグリンアルファ2ベータ1に接着するペプチドと、アルファ3ベータ1に接着するペプチドを混合したとき、線維芽細胞の接着活性が特異的に低下することが分かった。また、この細胞接着活性の低下は、FAKとPI3Kを介したインテグリンの活性化によってコントロールされていることを報告した(Biomaterials, 2015, Hozumiら)。異なる受容体の相互作用によって細胞接着活性が低下する現象に関しての報告は少なく、本研究の結果から混合ペプチド-高分子多糖マトリックスが細胞の生物活性をコントロールする手法として利用可能なことが示された。2つ目のアプローチである②ペプチド-高分子多糖マトリックスの幹細胞接着活性の解明、に関しては十種類以上のペプチドを用いて検討を行った。この結果、特定の二種類の異なるインテグリン結合活性を持つ合成ペプチドを混合すると、有意に幹細胞接着活性が上昇することがわかった。現在、詳細を検討中である。また、ラミニン由来ペプチド-キトサンマトリックスの生物活性とその応用に関して、これまでの検証で得られた結果を総説としてまとめ発表・開示した(Polymers, 2015, Hozumiら)。
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