2012 Fiscal Year Research-status Report
スマート超音波システムを用いた癌患部の自動HIFU治療
Project/Area Number |
24500537
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
柳田 裕隆 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (80323179)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超音波アレイ / HIFU / フレネルレンズ |
Research Abstract |
リニアアレイトランスデューサにフレネルパターンを適用し、超音波を任意の位置に集束できるのかを実験的に検証した。集束点の位置をコントロールすることには成功したものの、焦点における超音波強度が足りず細胞を死滅させるために十分な温度上昇を得られなかった。十分な温度上昇を得るために超音波素子を増加させることを考え、2Dアレイトランスデューサを用いた。このアレイを用いた音場形成シミュレーションを行った結果、焦点でのエネルギーは上昇し、細胞死滅に十分なエネルギーが得られることが分かった。 生体模倣材料の作成を行った。寒天とグラファイトを混入することにより音響特性のコントロールを試みた。音速の変化は非常に小さく、グラファイト粉末の重量濃度には、ほとんど影響を受けないことがわかった。減衰定数は、寒天にグラファイトを混入させることで高くなることがわかった。また、人体の減衰定数の範囲は0.5~2(dB/cm)と言われており、測定結果と比較すると非常に近い値が実現できていた。これらにより、減数定数は人体に近い値にコントロールすることが可能であることがわかった。また、凹面トランスデューサを用いて集束超音波を生成し、寒天製ファントムにおいて局所加熱と温度検証の計測を行うことができたため、今後の加熱実験に生体模倣材料として使用することができ、実際の人体での効果を正確に予測できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リニア(線上)アレイによる実測では超音波の集束点をコントロールできることを確認できたものの、そのパワー不足が露呈した。この点を解決することが必要である。このことを解決するための方法として、本申請書にも明記した逆位相出力による素子数の増加および、2Dアレイへの拡張により対処ができることがシミュレーションによって明らかになっている。本年度の目標の焦点コントロールおよび、エネルギーの算定について予定通り研究が遂行されていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度の計画が申請書通りに実行されているため、25年度も申請所通りに計画を遂行する予定である。具体的には超音波パワー不足の解消ためのハードウェア開発と、焦点コントロール用制御用プログラムの開発となる。ハードウェア開発に関しては仕様がシミュレーションによって、決定されているため、外注可能かどうかを各超音波素子メーカに打診する。場合によっては研究室で作成することも考える。また、制御用ブログラムは超音波素子を直接コントロールする前に素子数分のスイッチをコントロールすることができるものを作成し、その後に超音波素子と連動するように実装する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
超音波素子の製作やその制御用スイッチに研究費の大部分を使用することになると考えられる。同時にこれまでの成果発表を国際学会を始め国内の学会等で発表していくため、それら参加費、旅費等に予算を使用する。
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Research Products
(1 results)