2012 Fiscal Year Research-status Report
運動場モデルを用いた胸部MRとCT画像の統合と肺野構造に基づく機能画像の構成法
Project/Area Number |
24500539
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
後藤 敏行 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (30234991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影井 清一郎 横浜国立大学, 環境情報研究院, 名誉教授 (20017966)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医用画像処理 / 3次元CT / 時系列MRI / COPD / モダリティ統合 / 肺野構造解析 |
Research Abstract |
これまで、医用画像における複数モダリティの統合法の研究は、おもに静止した器官を対象としており、運動状態にある胸部などの器官に適用できる方法は確立されていない。研究代表者らは、肺野内部を運動する場として捉え、運動全体を総合的かつ定量的に把握する方法を提案するとともに、COPDなどの慢性閉塞性肺疾患の患者でも肺野内の運動が比較的少数の運動パターンに支配されていることを明らかにした。本研究では、この基本運動パターンモデルを用いて呼吸状態の違いを回避して、3次元CTから解析した肺葉や肺区域などの肺野構造と、病変分布、運動の局所的複雑さ、血流動態などの機能情報を統合し、解剖学的な肺野の構造に対応した各種機能分布を解析し提供できるシステムの開発を目指している。 研究初年となる平成24年度は、3次元CT像を用いた肺野構造解析システムを肺疾患の患者に対して評価を行い、肺疾患の患者への適用性向上のための改良を進めた。さらに、これまでに開発した肺疾患の病変解析システムと統合することによって、肺野構造単位の解析が可能な「肺疾患病変解析システム」を試作し、医師による臨床評価を開始した。また、CT画像とMR画像の空間分解能、コントラストおよび撮像組織の違いに関する問題を回避して、呼吸運動状態が異なる対応探索を行う「異種モダリティの対応探索法・統合法」の開発を進めた。これらと並行して、研究で用いるCTおよびMRIのサンプルとなる症例の収集を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度計画はほぼ予定通りに進み、平成25年度計画分の準備に取り掛かっている。 (1)「肺疾患に適用可能な肺野構造解析法」(平成24年度終了計画)に関しては、COPDなどの慢性閉塞性肺疾患に対応した「3次元CT像を用いた肺野構造解析システム」を開発するとともに、「肺疾患病変解析システム」の統合システムを試作し、その成果を国際会議(8th IFAC Symposium on Biological and Medical Systems)で公表した。さらに、平成25年度計画の準備として、肺野構造単位の解析が可能な「肺疾患病変解析システム」を用いて、神奈川県立循環器呼吸器病センタおよび埼玉県立循環器呼吸器病センタにおいてCOPD症例を対象に機能評価を開始した。 (2)「異種モダリティの対応探索法・統合法」(平成26年度終了計画)に関しては、肺動脈と大動脈経由の血流を考慮した2入力血流モデルを提案するとともに解析システムの試作を行い、その成果を肺呼吸機能イメージング研究集会で発表した。さらに、造影MR解析像と3次元CTの画像統合法の開発を進め、その成果の一部を本年8月に開催予定の国際会議(EMBC’13)において発表予定である。また、平成25年度計画の肺野構造を考慮した血流動態解析に着手した。 (3)「CTおよびMR画像のデータ収取」に関しては、神奈川県立循環器呼吸器病センタと協力し、平成25年度計画の関連性評価・臨床評価を考慮に入れて、準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に開発・改良した肺野構造解析システムで抽出されたCTの形態情報と、MRで得られた機能画像の位置関係の対応関係を求める方法の確立を目指す。CTとMRの画像の間では、呼吸状態や撮像における描出対象が異なるという問題がある。平成24年度に検討したMR像とCT像の肺野内血管の描出状況を正規化する方法を改良するとともに、肺疾患の患者でも比較的少数の運動パターンで肺野内のすべての運動を記述できる運動パターンモデルを利用した対応探索法について検討する。また、平成25年度は、平成24年度に開発した「肺疾患の患者に適用可能な肺野構造解析システム」の評価と改良を行う。さらに、肺野内局所運動など機能情報の構造分布を求める機能を試作する。 研究体制と役割としては、研究代表者の他に研究分担者1名と研究協力者1名で平成24年度と同一の構成とする。平成25年度の役割分担を次にまとめる。 1)異種モダリティの対応探索法・統合法・・・・異種モダリティの対応探索法・統合法の改良(後藤、影井)、肺野構造を考慮した血流動態解析法の評価改良(影井)、肺野構造を考慮した肺野内運動解析(後藤) 2)関連性評価、臨床評価(後藤、岩澤)
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)