2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500541
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柿川 真紀子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (10359713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 外史 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (80019786)
小林 誠 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20460355)
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Keywords | 交流磁場 / 抗がん剤 |
Research Abstract |
これまでの研究により細菌細胞において抗生物質であり抗がん剤としても用いられる薬剤が交流磁場曝露(60 Hz, 50 mT)により増強され、この増強効果が磁束密度に依存することなどを見出した。この磁場による薬剤の増強効果がヒトがん細胞でも見られ確実であれば、交流磁場をがん細胞に曝露することで、薬剤の効能を患部のみで高め、投薬量を減らし、副作用を抑えられる可能性がある。本研究では、抗がん剤と磁場の併用治療の可能性を検討するため、がん細胞に交流磁場を曝露できるシステムを構築し、磁場による抗がん剤の標的療法の有効性を細胞レベルで評価することを目的としている。 本年度はヒト肺がん細胞A549を用い、抗がん剤シスプラチン添加後、磁場曝露群(60 Hz, 50 mT)、非曝露群に分けて一定反応後(0-24時間)、細胞毒性アッセイCCK-8や LDH アッセイ、コロニーアッセイによりシスプラチン作用における交流磁場曝露影響の検討を行った。その結果、CCK-8およびLDHアッセイで磁場曝露群は非曝露群に比べ死細胞の割合が高まり、コロニーアッセイでの細胞増殖能による生死判別では、磁場曝露により有意に生細胞数が半減し、シスプラチンによる殺細胞効果が磁場曝露により増強されたことが示された。ただヒト細胞A549では磁場による薬剤増強率は、細菌細胞の場合(磁場曝露群は非曝露群よりも生菌数が1~2桁減少する)に比べて低い傾向がみられ、磁場条件や薬剤の種類の検討など今後の課題が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画であった、ヒトがん細胞での抗がん剤シスプラチン作用における磁場曝露影響を細胞毒性アッセイCCK-8やLDH アッセイおよびコロニーアッセイにより測定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
シスプラチンによる殺細胞効果が磁場曝露により増強されることが示されたが、ヒト細胞A549では磁場による薬剤増強率は、細菌細胞の場合に比べて低い傾向がみられたため、磁場条件や薬剤の種類などを検討することが課題である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞の培養に必要となる牛の血清(昨年度と同製品、同じロットのもの。ロットが異なると細胞の状態が変わることがあるため)の納期が遅れ、最終的に在庫切れで年度内の納入が不可となったため。 これまでと同じロットの血清が手に入らないケースも考え、他製品や他のロットチェック確認後、必要となる牛血清量をまとめて早々に購入する予定である。
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Research Products
(4 results)