2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500541
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柿川 真紀子 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (10359713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 外史 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 教授 (80019786)
小林 誠 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20460355)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 交流磁場 / 薬剤作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究により細菌細胞において抗生物質であり抗がん剤としても用いられる薬剤が交流磁場曝露(60 Hz, 50 mT)により増強され、この増強効果が磁束密度に依存することなどを見出した。この磁場による薬剤の増強効果がヒトがん細胞でも見られ確実であれば、交流磁場をがん細胞に曝露することで、薬剤の効能を患部のみで高め、投薬量を減らし、副作用を抑えられる可能性がある。本研究では、抗がん剤と磁場の併用治療の可能性を検討するため、がん細胞に交流磁場を曝露できるシステムを構築し、磁場による抗がん剤の標的療法の有効性を細胞レベルで評価することを目的としている。まずがん細胞に交流磁場を曝露するため、CO2 インキュベータ内に設置できる小型の60 Hz 磁場発生装置を製作した。この磁場曝露装置の実験領域には恒温水を循環できるようにし、コイルからの発熱影響を抑え温度を37℃一定にし、磁束密度については50 mTにおいて6%の均一性であることを確認した。またヒト細胞には肺がん細胞A549を用い、抗がん剤シスプラチン添加後、曝露群(60 Hz, 50 mT、24時間)、非曝露群に分け、コロニーアッセイによりシスプラチン作用における交流磁場曝露影響の検討を行った。その結果、シスプラチン作用において磁場曝露群は非曝露群に比べ生細胞数が50%減少し(有意差あり)、磁場による薬剤作用の増強が示された。細菌細胞の場合では磁束密度を大きくする、あるいは曝露時間を長くすることで、薬剤作用はより増強されたことから、ヒト細胞において、より薬剤作用が増強される磁場曝露条件の検討や薬剤の種類の検討が今後の課題である。
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