2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
横田 康成 岐阜大学, 工学部, 教授 (00262957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野方 文雄 岐阜大学, 工学部, 名誉教授 (70047629)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超音波エコー画像 / Bモード画像 / 頸動脈断面 / 心拍動 / 4次元可視化 / プラーク / 動脈硬化 / 診断支援 |
Research Abstract |
超音波プローブを機械的にスライド(スライド方向は,頸動脈の走る方向z軸とする)させてスキャンすることにより頸部超音波エコー断面像(断面像において,皮膚に平行な軸をx軸,深さ方向をy軸とする)をビデオキャプチャーによりパソコンに取り込む装置を試作した.本装置により取得したすべての画像フレームの中で,頸動脈拡張期の最初の点を原点と位置付けるようにt軸を合わせるアルゴリズムを開発した.空間(x,y,z)と時刻(t)の関数として,頸部の4次元形状(頸動脈,および周辺組織)を再構成することが最終目標となるが,その具体的方法として以下の方法について,コスト的,精度的,計測の容易性の観点から最適な方法を見出すための比較,検討を行なった. 1. 各zの位置において,1心拍の間,超音波画像を記録し,それが終わったら,次のzの位置での計測に移ることを繰り返し,頸部の4次元形状を計測する方法. 2. プローブをz軸方向に常にスライドさせて,対象とするz軸の範囲5,6往復程度の超音波画像を計測し,適当な補間,心拍動のモデルを利用して,頸部の4次元形状を再構築する方法. 3. 通常のx,y方向をいわゆるB-mode画像として計測する超音波プローブではなく,x,y,z方向を同時に計測できる超音波振動子を備えたプローブを新たに開発する.これにより,一気に1回の心拍動間の計測で,頸部の4次元形状を計測する方法. まず,具体的に1. については,プローブのz軸の動きを制御する装置を試作した.実際に,頸動脈超音波画像を計測し,頸動脈拡張期と収縮期の2フェーズにおいて,それぞれ3次元形状の再構築を実現した.さらに,1.の方法では,患者に適用するには計測時間がかかりすぎて患者への負担が大きいことから,2.の方法を適用することを検討し,簡易的ではあるものの頸動脈の3次元形状の再構築を可能にした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の具体的計測法の3種類の方法について,コスト的,精度的,計測の容易性の観点から最適な方法を見出すための比較,検討を行なった. また,具体的に1. については,プローブのz軸の動きを制御する装置を試作し,実際の計測を行い最初の4次元形状の計測結果を得た.この方法では,頸動脈の3次元形状の描画のみならず,心拍動に伴う動きの観察を可能にするため,動脈硬化により現れる頸動脈の局所的なひきつった動きなども観測されると期待されるが,計測に時間がかかることが問題視された.そこで,計測法の2.についても,最初の計測を試みた.この結果,わずか5秒間の計測により,簡易的ではあるものの頸動脈の3次元形状の描画を可能にした. これらの研究成果は,関連した特許として,国内,海外を含め6件の特許を取得した.学会発表では,国際会議3件を含む,計7件発表し,プロシーディングを含んで,計8件が雑誌論文として掲載された.
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Strategy for Future Research Activity |
現段階での課題は,以下の2点である. 1. 頸動脈の心拍動トレースの精度の改善と精度評価 2. 脂質物質(プラーク)など頸動脈に異常のある被験者に対する実証実験 上記1. については,研究代表者らがすでに頸動脈の周辺組織の動きを利用して心拍動のトレースを精度良く行う手法(日本国特許第05158690号(H24.12.21), オーストラリア特許第2008341770(付与2011.10.27),アメリカ特許第8,249,324(2012.8.21),EPC特許第2226012(2012.6.20))を考案しており,この手法を利用して精度改善を行う.この手法では,周辺組織の硬さに影響されない頸動脈の弾性率推定が可能であり,頸動脈4次元可視化と同時に,動脈硬化度を定量的に求めることが可能になるため,今後,推進してゆく予定である.ただし,この手法を適用するに当たり,正しく推定できるかを検証し,推定精度を定量的に評価する必要がある.そこで,頸動脈と周辺組織の模型(ファントム)をシリコンなどを利用して製作し,ポンプにより心拍動に相当する圧力を加え,超音波エコー装置から得られるB-mode画像を計測する.そして,推定された頸動脈の弾性率が実際のシリコンの弾性率に合致しているかを検証する.これにより,より精密な頸動脈の4次元可視化法を実現する. 平成26年度では,脂質物質(プラーク)など頸動脈に異常のある被験者に対する実証実験を行う.頸動脈の心拍動を映像化し,不自然な動きなどを観察できるようにする.さらに,再構築された4次元形状から,動脈硬化度を定量的に評価可能な尺度を見出す.その後,実際の患者に適用し,臨床試験,臨床応用の可能性を検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
頸動脈ファントムの製作費,及びその材料費に使用する.材料は,人肌の硬度に近い,低硬度のシリコンゴムチューブの特殊なものと濃度を変えた超音波ゲルの組み合わせにより,頸動脈ファントムを製作する.さらには,前年度までに進めた計測方法による頸動脈可視化法で,工学,医工学の学会および国際会議で成果発表のための費用とする.
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[Journal Article] Medical Image Processing and Computer-Aided Detection/Diagnosis (CAD)2012
Author(s)
H.Fujita,F.Nogata,H.Jiang,S.Kido,T.Feng,T.Hara,T.Hayashi,Y.Hirano,A.Katsumata,Y.Kawamura,T.Kobubo,J.Liu,C.Muramatsu,H.Shouno,R.Tachibana,X.Wang,F.Xiang,R.Xu,B.Yang,Y.Yokota, et all
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Journal Title
Proceedings of the 2012 International Conference on Computerized Healthcare (ICCH2012)
Volume: -
Pages: 66-71
Peer Reviewed
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[Presentation] Medical Image Processing and Computer-Aided Detection/Diagnosis (CAD)2012
Author(s)
H.Fujita,F.Nogata,H.Jiang,S.Kido,T.Feng,T.Hara,T.Hayashi,Y.Hirano,A.Katsumata,Y.Kawamura,T.Kobubo,J.Liu,C.Muramatsu,H.Shouno,R.Tachibana,X.Wang,F.Xiang,R.Xu,B.Yang,Y.Yokota, et all
Organizer
2012 International Conference on Computerized Healthcare (ICCH 2012)
Place of Presentation
The Hong Kong Polytechnic University,China
Year and Date
20121217-20121218
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