2013 Fiscal Year Research-status Report
近赤外分光分析計を用いた睡眠時無呼吸症候群患者の舌組成分析
Project/Area Number |
24500560
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
重田 優子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40367298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 栄里子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (30410046)
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 組成分析 |
Research Abstract |
平成24年度の成果報告において、本研究で使用している近赤外分光計の有用性、および、正常ボランティアにおいて、舌脂肪率が加齢により増加する傾向があることを報告した。 平成25年度は、閉塞性無呼吸症候群の患者のデータを加え、年齢・体組成と舌脂肪率の関係、さらに、無呼吸の重症度と舌脂肪率との関係について検討を開始した。 体組成は,メーカー指示に従いKarada Scan(OMURON, Kyoto, Japan)を用いて,上腕および舌の脂肪率は,近赤外分光計FITNESS ANALYZER BFT-3000(Kett Electric Laboratory, Tokyo, Japan)を用い計測した.近赤外分光計の計測点は,測定器付属のジグを用いて上腕二頭筋の中央,熱収縮チューブを用いて作製したジグを用いて舌尖より20mmの舌背部に設定した.無呼吸の重症度については、終夜ポリソムノグラフ検査の結果から、Apnea Hypoapnea Index (AHI)を求め、その値を用いて評価した。 無呼吸患者において、ボランティアにおいて認められた、加齢による舌脂肪の増加は認められなかった。一方、ボランティアには認められなかった、体脂肪と舌脂肪率の間に正の相関関係が認められた。このことから、無呼吸患者は、肥満に伴い、舌に脂肪が沈着しやすい体質であることが示唆された。また、無呼吸の重症度(AHI)と舌脂肪率との間にも、弱い正の相関が認められた。現時点では、サンプル数が十分でないため、今後、サンプル数を増やし検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の成果報告の際に、計測誤差や計測環境による影響などを検討する予定としていたが、その後、過去の文献にて、近赤外分光計の計測精度や計測環境の影響などが十分検討されていることが明らかとなったため、平成25年度は、無呼吸患者を加えた検討を進めることとした。 しかし、現時点で対照群(ボランティア群)、無呼吸患者群共に、統計的に十分な被験者数の確保ができていないため、本年度以降、被験者数を増やし検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまでのデータで認められた下記の傾向について、被験者数を増やし、さらに検討を加えていきたいと考えている。 1.ボランティア群:加齢に伴う舌脂肪率の増加 2.無呼吸患者群:体脂肪の増加に伴う舌脂肪率の増加 上記の傾向について報告した研究は少ないため,本研究成果については,関連学会学術大会・雑誌等での発表を予定している。 また、舌脂肪率に対する、減量や舌に対する運動負荷の検討についても、進めたい考えであるが、減量や運動負荷の反応については長期的な観察が必要となるため、上記の検討と併行して進める予定である。研究への参加撤回を可能とすることや、個人情報の取り扱いなど、患者への倫理的な配慮を徹底し、研究を進めている。現在、上記についてトラブルは生じていない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に購入予定であった近赤外分光分析計(FQA-NIRGUN)が廃盤となり代理店にて購入できなかったことから,代用として近赤外分光計FITNESS ANALYZER BFT-3000(Kett Electric Laboratory, Tokyo, Japan)を購入した.また,ワークステーションについては現在,画像解析を行っていないため購入していないことから差額が生じた. 平成26年度はワークステーションおよび解析ソフトなどの購入,成果報告のための学会旅費が必要となる.
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