2015 Fiscal Year Annual Research Report
廃用性筋萎縮抑制効果の長軸部位別検証による臨床視点的プログラムの構築
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24500575
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山崎 俊明 金沢大学, 保健学系, 教授 (00220319)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 廃用性筋萎縮 / 萎縮抑制 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋には解剖学的に起始と停止部があり、全体として作用する臨床視点から、本研究では機能的作用を鑑み、骨格筋全体として効果的に機能を発揮できることが重要と考え、長軸部位(近位・中央部・遠位部)による萎縮抑制効果の相違を検証することが主目的である。 初年度は、廃用性筋萎縮に対するストレッチ介入による萎縮抑制効果を長軸部位別に検証した。次年度は、温熱刺激による萎縮抑制効果を長軸部位別に検証した。平成26年度は、ストレッチ介入と温熱刺激の「併用効果」を検証し、筋線維横断面積、酸化系酵素活性および毛細血管数への影響は筋長軸方向で異なること、さらに併用による筋長軸方向部位差の軽減効果を明らかにした。 平成27年度は3年間の研究結果を踏まえ、ストレッチ介入による筋線維タイプ別反応の相違および経時的変化を長軸部位別に検証した。8週齢のラットヒラメ筋を対象とした。対照群、後肢懸垂処置にて廃用性筋萎縮を作製する群および後肢懸垂期間中に1日5分間の間歇的ストレッチを毎日実施する群とし、各群を実験期間3・7・10・14日時点に分けた。全群の筋腹中央部、さらに、各群7日および14日群では近位部(筋長の25%部位)および遠位部(筋長の75%部位)の凍結横断切片を作製した。HE染色およびATPase染色を実施し顕微鏡画像をもとに筋線維断面積を分析した結果、廃用性筋萎縮の影響は、タイプⅠ・Ⅱ線維の長軸部位別に相違を認めた。また筋萎縮抑制効果は、ヒラメ筋で優位なタイプⅠ線維の遠位部で顕著であった。 以上より、廃用性筋萎縮対策としての「臨床的視点的プログラム」構築には、介入方法を工夫し、筋線維タイプおよび長軸部位を考慮する重要性が示唆された。
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Research Products
(5 results)