2013 Fiscal Year Research-status Report
特別支援教育における机上課題の遂行を促すための座位と課題内容
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24500576
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辛島 千恵子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00324088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 英樹 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70235662)
上村 純一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70467322)
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Keywords | 特別支援教育 / ASD / 座位姿勢 / 作業療法 |
Research Abstract |
●1.実験Iの成果を論文「ASD児の課題遂行の座位姿勢の特徴」を執筆した。投稿学術雑誌は、「Occupational Therapy International」で、査読後の軽微な修正をして、26年4月30日までに修正をする予定。 論文の要旨:16名の定型発達児と16名のASD児の姿勢調整について調査した。COP(圧中心)は、側方、前後の変動を机上動作時に測定した。COPはTD児よりもASD児で側方の変動が有意に大きかった。ASDのより大きな変動は、全ての課題に共通するものではなく、いくつかの課題に見られた。STEFの課題中のより大きな変動は、ASDの課題遂行時間とは関係がなかった。ASD児の身体の変動は、課題実行を妨害するものではなく、課題遂行を補うものではないかと推測される。 ●2.実験IIの成果を論文「認知課題の遂行が児童の座位姿勢に与える影響」を執筆した。投稿学術雑誌は、「Motor Control」で現在、査読中である。 論文の要旨: 認知課題の遂行が児童の座位姿勢に与える影響について調べた。姿勢保持課題と比較して、認知課題実施時には、%筋活動量が低下した。複雑な計算課題実施時は,簡単に課題実施時に比べて、右腰部多裂筋以外の%筋活動量が低下した(p<0.05).前後方向の重心の動揺幅は、姿勢保持課題と比較して複雑な計算課題実施時に有意に大きくなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
●研究の目的1について:通常学級に在籍する定型発達児童(TD)と発達障害児(ASD)の課題内容や課題遂行時の姿勢制御の特徴明らかにする.●研究の目的2について:課題を遂行するための適切な座位,椅子のサイズ,形状や課題のないようなどを提案する.成果:目的1については達成できた.2つの論文の学術雑誌への受理を目指す。研究Iは、軽微な修正で掲載までこぎつけている。研究IIについては、査読待ちの状況である.しかし,研究結果から児童の座位姿勢における重心の動揺や課題遂行時の筋活動の減弱と姿勢の崩れは,課題を遂行するための必要なことであることがわかった.これらの結果を踏まえて,研究IIの椅子のサイズ,形状,クッションの違いによる調査を再検討中である. ●2. 上記の成果をもとに、通常学級内での特別な教育ニーズのある児童の姿勢と課題の捉え方を網羅した、「特別支援教育における作業療法」のパンフレット、ホームページ作成は、すでに準備中である。 以上により当初の2年目の目標は概ね達成してい
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Strategy for Future Research Activity |
●1. 研究の目的IIについて:椅子のサイズ,形状,各種クッションを利用した実験を再 検討 する. ●2. 上記の成果をもとに、学校、教室内での特別な教育ニーズのある児童の姿勢と課 題 の捉え方を網羅した、「特別支援教育における作業療法」のパンフレット、ホー ム ページ作成は、すでに準備中である 1と2を更に進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文執筆,その指導に時間を費やし海外学会に参加する機会がなかったため. 研究成果を加筆した「特別支援教育と作業療法」の小冊子と広報的役割としてのホームページを実行するための費用とする.また,後半は,ASDに関する海外学会に参加予定として使用する
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Research Products
(7 results)