2012 Fiscal Year Research-status Report
加齢による筋内脂肪増加を予防するための筋特性改善プログラムの開発
Project/Area Number |
24500579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池添 冬芽 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10263146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市橋 則明 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50203104)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高齢者 / トレーニング / 介護予防 / 筋特性 |
Research Abstract |
平成24年度の研究目的は、加齢により筋量や筋内脂肪といった筋特性がどのように変化するのかについて明らかにすることとした。 対象は地域在住の健常中高齢女性100名(平均年齢70.8±6.5歳)および健常若年女性28名(平均年齢20.5±0.63歳)とした。対象者には本研究の目的を説明し、同意を得た。超音波診断装置を用いて安静時の右側の大腿四頭筋の筋厚を測定し、大腿直筋と中間広筋をあわせた筋厚を筋量の指標とした。また、得られた超音波画像から画像解析ソフトを使用して大腿直筋の筋輝度を測定し、これを筋内脂肪の指標とした。すなわち、筋輝度が高いほど筋内脂肪が増加していると判断した。 大腿四頭筋の筋厚は若年者が4.39±0.50cm、中高齢者が3.55±0.50cmであり、若年者と比較して中高齢者では有意に筋厚が低下していた。筋輝度は若年者が63.1±15.9、中高齢者が98.8±10.3であり、若年者と比較して中高齢者では有意に高い値を示した。本研究の結果、若年女性と中高齢女性との筋厚および筋輝度には有意差がみられたことから、加齢により大腿四頭筋の筋量が低下するだけでなく、筋内脂肪の増加というような筋の特性も変化することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、加齢により筋特性がどのように変化するのかについて明らかにすることを目的として研究を実施した。筋特性については、超音波診断装置を使用して評価し、筋厚を筋量の指標とした。また、得られた超音波画像から筋輝度を測定し、これを筋内脂肪の指標とした。本研究の結果、加齢により筋量が低下するだけでなく、筋内脂肪の増加というような筋の特性も変化することが示唆された。しかしながら、この加齢による筋特性については、例えば筋硬度なども含めた詳細な筋特性の変化については不明であり、これについては今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は高齢者の筋特性や運動機能、動作能力の関連性について分析し、高齢者の筋特性に関与する因子を明らかにするとともに、高齢者の運動機能や動作能力向上を目指したトレーニングプログラムを考案する。 具体的には、対象は高齢者30名とする。筋特性の評価として、超音波診断装置を使用して大腿四頭筋の筋厚や筋輝度、筋硬度などを評価する。運動機能として、筋力測定器を用いて膝伸展の最大等尺性筋力を測定する。動作能力として、歩行速度や立ち座り能力を評価する。高齢者の筋特性、運動機能、動作能力との関連性について解析することによって、高齢者の筋特性に関与する因子を明らかにするとともに、高齢者の運動機能や動作能力改善を目指したトレーニングプログラムを考案する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は当初の研究計画である「高齢者の筋特性や運動機能、動作能力の関連性について分析し、高齢者の筋特性に関与する因子を明らかにするとともに、高齢者の運動機能や動作能力向上を目指したトレーニングプログラムを考案する。」という研究をすすめるとともに、平成24年度の研究において達成不十分であった「筋特性について筋硬度も含めて詳細に検討する」という課題に取り組む。次年度はこれら研究課題を達成するため、研究費を計画的に使用する。
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