2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500581
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澤井 元 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20202103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 哲也 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50183976)
三好 智満 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70314309)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工視覚 / 電気刺激 / 網膜 / 膜電位イメージング / 誘発電位 / 上丘 / 視覚皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工視覚システムでは一般的に固定間隔の電気刺激パルス列が使われる。しかし、同一の電極で電気刺激パルス列を連続して与えると、次第に応答の閾値が上昇し、視覚中枢の反応や疑似光覚が減弱するという問題がある。この問題点は、刺激パルス間隔に不規則な変動、すなわち「ゆらぎ」を導入することによって解消される可能性がある。前年度までに固定パルス間隔の刺激に対して1/f0ゆらぎ刺激の方が強い応答を示すことを明らかにできた。1/f0ゆらぎ刺激では異なるパルス間隔(= 周波数fの逆数)の出現確率が同じである。しかし、自然界に見られるのは、全く均等でランダムな変動ではなく、高い周波数ほど出現確率が低くなる1/fゆらぎや1/f2ゆらぎ(ブラウン様の変動)である。そこで、今年度は前年度までの研究に引き続き、パルス間隔に比例、または、その2乗に比例して出現確率が変動するパルス列を作製し、それぞれ、1/f0ゆらぎ刺激、1/fゆらぎ刺激と1/f2ゆらぎ刺激として麻酔下のラット網膜に与えた。それぞれの電気刺激に対する上丘ニューロンのマルチユニット活動を記録し、発火頻度の高さを比較した。また、一次視覚野の興奮の大きさを電位感受性色素によるイメージングよって比較した。その結果、電気生理学的にもイメージングでも、それぞれのゆらぎ刺激との間に有意な応答の差は見られなかった。この結果より、STS 型人工網膜でも パルス間隔の固定が網膜応答の減弱をもたらすが、間隔を変動させれば減弱効果を抑制することが可能であることを示すことができた。
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Research Products
(3 results)