2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳科学的根拠のある利き手・非利き手別リハビリテーションプログラムの開発
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24500582
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
砂川 融 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(保), 教授 (40335675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 康晴 東京工業大学, ソリューション研究機構, 教授 (10302978)
中西 一義 広島大学, 大学病院, 病院助教 (60403557)
車谷 洋 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(保), 講師 (00335647)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 利き手 / 脳活動 / 運動課題 / 知覚課題 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
運動解析:単純と複雑動作時の脳活動が動作手の違い(利き手あるいは非利き手)により変化するのかを明らかにする目的で、動作中の脳活動をfNIRSで計測した。利き手動作時には、両動作ともに左半球が賦活したが、複雑動作時のみ小さい領域で右半球が賦活した。非利き手動作時には、両動作ともに両半球で賦活があり、賦活領域は単純動作より複雑動作の方が大きい傾向があり、同じリハビリテーション課題でも利き手と非利き手では脳活動に違いがあることが判明した。 各種日常生活動作で、利き手、非利き手別で手関節運動角度に差があるか否かを検討する目的で、片手で日常生活活動課題をモーションセンサーを装着して遂行し、手関節の運動範囲を計測した。巧緻運動課題では非利き手の手関節可動域が有意に大きく、単純動作では利き手の方が大きい傾向があった。利き手と非利き手では動作の違いにより動作戦略が異なることが示唆された。 知覚解析:刺激の違い及び利き手、非利き手の違いで、感覚入力に対する脳活動の違いを確認する目的で、示指と小指に触覚あるいは痛覚刺激を両側別々に行ない、MEGを使用して脳活動を計測した。いずれの刺激でも一次体性感覚野の賦活部位は同じであり、利き手、非利き手別でも明らかな差異は認めなかった。感覚入力に対しては利き手を考慮する必要はないと考えられた。 経頭蓋直流電気刺激が刺激側および非刺激側の一次体性感覚野の活動に与える影響をMEGを用いて検討し、陽極刺激時に刺激側の一次体性感覚野の神経活動が刺激前と比較し有意に増加すること、非刺激側の一次体性感覚野には影響がないことが明らかとなった。 触覚刺激の鏡像観察が体性感覚野の活動および利き手、非利き手による活動に差があるかをMEGを用いて検討し、触覚刺激の鏡像観察が体性感覚野の活動を高めることを脳科学的に示すことはできず、利き手・非利き手で活動に差がないことが明らかとなった。
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