2014 Fiscal Year Annual Research Report
膝前十字靱帯損傷のハイリスク選手に対する90度側方カッティング動作の分析
Project/Area Number |
24500585
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浦邉 幸夫 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 教授 (40160337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 慶明 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 助教 (10536783)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膝前十字人体損傷 / 膝ACL損傷 / スポーツ外傷予防 / ハイリスク選手 / バイクテスト / 膝関節運動学 / 左右差 |
Outline of Annual Research Achievements |
バスケットボール選手を対象に全研究を行った。90度側方カッティング動作については事前に進行方向を右または左と指示して行う場合と、タイミングライトで右か左かを示す方法で実施し、結果を比較した。事前にカッティング動作後の進行方向を示したものでは有意にタイミングライトでの判断より短時間にカッティング動作の準備を行うことができていた。またタイミングライトでは進行方向を誤る試行が増加することが分かった。 今回、ハイリスク選手の抽出方法として「バイクテスト」を新たに開発した。バイクテストは固定自転車で選手がペダリングする際に足尖の向く方向と、膝関節の屈曲方向を矢状面で観察する方法である。いわゆるKnee-in & Toe-out という膝前十字靭帯損傷の発生の危険が大きいと考えられているバスケットボール選手では、このバイクテストにより、より具体的に足尖の方向と膝関節の屈曲方向とが数値として示され、再現性の高さも確認できた。 このバイクテストにより抽出されたハイリスク選手で、90度側方カッティング動作を行わせた場合、3次元動作解析で、ハイリスク選手以外と比較して、有意にカッティング動作時の最大膝関節外反角度が増加していた。また、同一選手でも、足尖がより外側または膝関節がより内側を向く場合、外反角度が大きいことが示された。 さらに、膝前十字靭帯損傷は左膝関節での発生頻度が高いが、研究対象全体を通じて、カッティング動作の側方移動期の最大膝関節外反角度が左膝関節で大きくなることが示され、膝前十字人体損傷予防のために、ハイリスク選手の運動学的な分析によって、新たな知見を加えることができた。
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