2012 Fiscal Year Research-status Report
地域病診連携システムが慢性閉塞性肺疾患の予防と治療を可能にするか
Project/Area Number |
24500589
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
千住 秀明 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30179361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 貴子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00612409)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 地域医療 / 病診連携 / COPD |
Research Abstract |
研究目的は、「地域リハビリテーションを含むCOPD地域病診連携システムがCOPDの予防と治療を可能にする」仮説を検証することである。 対象は松浦市に在住する50歳以上の8,583名の内、COPDの簡易診断法である11-Qに回答を頂いた3,331名で、得点が5点以上の1,006名で肺機能検査を受診した501名である。肺機能検査によりFEV1%<70%の気道閉塞を認めたCOPD疑い者の67名と、平成18年の調査でCOPDと確定診断された158名の計225名である。 方法は、北松浦医師会、松浦市と協力してCOPD対策委員会を設け、①松浦健康まつりを活用したCOPD健診、②COPD要フォロー健診、③COPD患者を対象とした呼吸器リハビリの集い、④医療従事者を対象とした呼吸リハビリテーション研修会、COPDのガイドライン、吸入療法を開催した。 結果、①「COPD健診」では、COPD問診票であるIPAGによるスクリーニング調査を90名に実施し、17点以上のCOPD疑い者の81名に肺機能検査を実施した。その結果、FEV1%<70%の気道閉塞を認めた8名を医療機関へ紹介した。②「フォロー健診」には、181名に健診案内を出した。参加者は医療機関からの新規紹介者を含め51名が参加した(参加率:27%)。そのうち、36名(73%)は呼吸機能が維持・改善されていた。③「呼吸器リハビリの集い」は23名が参加した④「医療従事者を対象とした研修会」は、約80名の医療関係者が研修会に参加した。 本研究の意義と重要性:市民を対象としたCOPDの早期発見、早期治療を地域の医療インフラ(行政・医師会・医療機関)と地域リハビリテーションを活用した病診連携の取り組みは極めて少なく、本システムでCOPDの予防と治療の可能性が示唆されれば、健康日本21でのCOPD対策に有用な示唆を与える事ができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
松浦市、北松浦医師会の協力によってCOPD対策委員会を設け、年間の事業計画を立て計画通り進行している。残された問題点は、市民のCOPDに対する意識が低く、要フォロー者健診の参加者が少ないことである。今後は、医師会と協力し参加への啓蒙を図ることと、COPD健診参加の増加を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
年2回のCOPD対策委員会の開催、COPDフォロー健診、医療従事者研修会、COPD教室の開催、中核病院でのCOPD健診の実施、一般市民へのCOPD認知度調査、COPD健診不参加者への追跡調査などを実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年2回のCOPD対策委員会の開催、COPDフォロー健診、医療従事者研修会、COPD教室の開催、中核病院でのCOPD健診の実施、一般市民へのCOPD認知度調査、COPD健診不参加者への追跡調査などを実施する。 上記計画のため、会議費、交通費、肺機能検査備品等に使用する。
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Research Products
(12 results)