2013 Fiscal Year Research-status Report
ミラーテラピーによる脳梗塞急性期の可塑的修復過程のメカニズムの解明
Project/Area Number |
24500601
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
近藤 正樹 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20315964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 正法 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198040)
武澤 信夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70405265)
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Keywords | ミラーテラピー / NIIRS / 脳梗塞急性期 / 可塑的修復過程 |
Research Abstract |
ミラーテラピーは脳梗塞患者の上肢麻痺のリハビリテーションに有用であり,脳可塑性の関与が考えられるが,そのメカニズムは十分解明されていない。本研究の目的は上肢麻痺を伴う脳梗塞症例の急性期にミラーテラピーを行い,実施中の脳活動をNIRSによってリアルタイムに測定し,急性期および慢性期の脳血流賦活反応の程度,広がりを解析することによりミラーテラピーによる脳の可塑的修復過程のメカニズムを明らかにすることである。上肢麻痺を呈する脳梗塞症例をミラーテラピー実施群(MT群)と通常の理学療法,作業療法実施群(通常群)にランダムに分け,急性期リハビリテーションを行う。 NIRSを用いてミラーテラピーを課題とした脳血流賦活反応を測定,解析する。 急性期の麻痺の改善を一次エンドポイント,慢性期の麻痺の改善を二次エンドポイントとして,ミラーテラピー実施の有無による影響を検討する。麻痺側(右麻痺ないし左麻痺),脳梗塞部位,麻痺の重症度,NIRSの脳血流賦活反応(程度,広がり)の麻痺の改善への関与とNIRSの脳血流賦活反応への他の因子の関与を検討する。 平成25年度は平成24年度に設定した患者適応基準に従い症例の登録,評価を行うとともに平成24年度に登録した症例の1年後のフォローアップを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は平成24年度に設定した患者適応基準に従い症例の登録,評価を行うとともに平成24年度に登録した症例の1年後のフォローアップを行った。 登録症例は計14例であり,内訳は右麻痺10例(MT群5例,通常群5例),左麻痺4例(MT群2例,通常群2例)であった。全例で急性期にミラーテラピー課題によりNIRSを測定しOxyHbの賦活反応(程度,広がり)を評価し,退院時,転院時に急性期の麻痺の改善度を評価した。症例情報(麻痺側,脳梗塞部位,介入前の麻痺重症度,NIRSの血流賦活反応の程度,広がり)について随時入力し,データベース化を進めている。 平成24年度登録例で1年経過した症例は全例で1年後のフォローアップを行った。来院可能であった症例3例は麻痺の重症度の再評価,NIRSの測定を行った。来院不能であった症例8例は電話で聞き取りを行い麻痺の重症度を推定した。
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Strategy for Future Research Activity |
症例のデータベース化,1年後のフォローアップは順調に行えているが,平成25年度は前年度と比較して登録症例数が減少した。理由として登録後の脳梗塞再発による進行や失語等の合併により逸脱となった症例が7例(右麻痺4例,左麻痺3例)あった。このような症例は除外しNIRSの測定も行わなかった。 しかし,平成26年度も引き続き症例数の登録が困難な場合が予想され,このような症例も解析時に分けて評価することとし別枠として登録しNIRSの測定も実施する。 平成26年度も症例を登録を促進し,1年経過した症例のフォローアップを引き続き行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ミラーテラピーによるリハビリテーションを複数症例で同時進行する場合を想定し,ミラーテラピー用ミラー付きボックスを新たに作成する費用を算定したが,予想より症例の登録が少なかったために既存のミラーボックスのみで検査が可能であった。 また,検査中の様子や課題実施時の状況を記録するためにデジタルビデオを購入予定であったが購入されなかった。 ミラーテラピー:次年度症例数の増加を進めていく予定である。ミラーテラピーによるリハビリテーションを複数症例で同時進行する場合が想定されるため,ミラーテラピー用ミラー付きボックスを新たに作成する。NIRS検査:NIRSの測定にかかわる検査資材,備品の費用が必要となる。データの解析:統計解析・画像解析のためのコンピューターソフト,検査中の様子や課題実施時の状況を記録するためにデジタルビデオを購入,データベースの入力,管理に携わる研究補助員への謝金を必要とする。その他:研究に必要な情報の収集,研究成果の発表のための学会出張費,関連書籍および論文作成にかかわる費用を必要とする。
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Research Products
(4 results)