2012 Fiscal Year Research-status Report
ロービジョン者用の日常生活活動評価に関する研究ー特異的尺度の開発ー
Project/Area Number |
24500607
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
小野 峰子 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教 (20515085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60362472)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ロービジョン / ADL |
Research Abstract |
本研究の目的は、ロービジョン者の日常生活活動(ADL)を測定する尺度を開発し、その計量心理学的特性を検証することと、ロービジョン者のADLを高める要因について検証することである。 平成24年度で、ロービジョン者用日常生活活動(ADL)評価尺度(暫定版)作成のため、最初に過去の文献から日常生活動作としてロービジョン者が困難な項目を評価項目としてプールし(201項目)、ICF(国際生活機能分類)に沿って分類して整理し、「見え方」28項目と「している活動」9項目を選択して、評価票の暫定版を作成した。 その後パイロットテストの結果より、評価選択肢に修正を加え、暫定版を完成させた。この暫定版で、妥当性・信頼性を検証しロービジョン者用日常生活活動(ADL)評価尺度を完成させる予定であり、妥当性検証のための調査を平成25年2月より開始している。 またこの調査の際に、ロービジョン者のADL(2つの側面)を高める要素は何か、患者背景として年齢、性、同居の有無、職業、身近な介助者の有無、身体障害者手帳の有無、さらにロービジョンリハビリテーションの有無とその内容、補助具の有無とそれぞれの使用状況、心理的側面について検証を行う。 ロービジョン者用ADL評価票が完成すると、ロービジョンケアの帰結評価に有効に活用できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度にはロービジョン者用ADL評価票の暫定版を作成し パイロットテストを行った結果を受け回答方法について修正を加え暫定版を完成させた。その次の段階として暫定版による信頼性妥当性検証のための調査について、研究協力施設の倫理委員会に申請をし承認を得て平成25年2月より開始している。研究計画としては、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、データを収集し解析を行う。データは、東北大学72例、日本医科大学24名、関西医科大学24名、福島県立医科大学24名、山縣眼科医院24名の合計168名とする。参加同意の得られた対象者の患者背景を含めた登録票、臨床検査項目を記入する諸検査記録シートおよび、ロービジョン者用日常生活活動(ADL)評価尺度(暫定版)についてデータを収集する。得られたデータを入力、クリーニングした後、まず古典的手法によってロービジョン者用日常生活活動(ADL)評価尺度の信頼性・反応性・妥当性の検証を行う。続いて、項目反応理論に基づく解析を実施し、ロービジョン者用日常生活活動(ADL)評価尺度の計量心理学的特性を以下のように検証する(目的(1))。下位尺度の項目弁別力を検討するため項目分析(G-P分析)を行う。内的整合性を検討するため、Cronbachのα係数を求める。再テスト信頼性を検討するために2回の回答の相関係数を求める。構成概念妥当性を検討するため因子分析を行う。基準関連妥当性については、情報の取得の下位尺度とADLの9項目について、視力と視野、VFQ-25との相関をPersonの相関係数を求める。目的(2)のADLに関連する要因の検討として、性、年齢、職業、原疾患、同居者の有無、身近な介助者の有無、心理的側面、使用している補助具とその使用状況、視覚障害となってからの年数、ロービジョンケアの有無とある場合はその内容について、分散分析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析した結果を論文とし、学会誌や学会発表で、公表を予定している。またロービジョン者用ADL評価票の使用マニュアルを作成する予定である。
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