2013 Fiscal Year Research-status Report
T2強調画像信号およびT2緩和時間を指標とした筋活動分析:上肢前腕の筋活動比
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24500609
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Research Institution | University of Human Arts and Sciences |
Principal Investigator |
秋山 純和 人間総合科学大学, 保健医療学部, 教授 (10285976)
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Keywords | T2強調画像信号 / T2緩和時間 / 筋活動分析 |
Research Abstract |
平成25年度の実績は、以下のとおり学会発表を行った。 ①「高森正祥、秋山純和、瀬尾芳輝、病態生理学会:MRIを用いた筋活動分析の基礎的検討: 2013年」TE39msが撮影条件として良好であり筋活動弁別に最適であった。運動後活動筋は高信号に描出され、画像輝度変化として運動直後から30分間程度観察が可能であった。マルチエコー法で活動筋は安静時T2値30ms程度から運動直後50ms程度まで変化することがわかった。 ②「秋山純和、高森正祥、吉田一也、大橋好偉、早川実佳、 拝師智之、大塚博、瀬尾芳輝:T2緩和時間を指標とした25%最大筋力時の手関節尺側屈曲運動筋の解析、第41回日本磁気共鳴医学会大会、2013年」T2緩和時間を指標として最大等尺性収縮時を100%として負荷量の正規化を行い活動筋の観察を行った。25%の負荷で手関節尺側屈曲時の協同筋、拮抗筋の活動状況を分析した。尺側手根屈筋、長掌筋、橈側手根屈筋に筋活動を認めた。運動直後T2緩和時間の延長を認めたがその後漸減した。30分で運動前のT2緩和時間の88.1、93.5、82%まで回復した。主動筋の尺側手根屈筋に対して、協同作用としての橈側手根屈筋、長掌筋の活動、また拮抗筋である短橈側手根伸筋、総指伸筋が非活動であることが確認できた。 ③「 秋山純和、高森正祥、吉田一也、大橋好偉、早川実佳、 拝師智之、大塚博、瀬尾芳輝:筋運動強度に対するT2緩和時間の変化:第17回NMRマイクロイメージング研究会、2013年」被験者12名に対して0.2 T立位膝用MRI装置を用いて筋運動の負荷強度に対するT2 緩和時間の変化を検討した。手関節尺側屈曲に対して最大等尺性収縮時を100%として25%、15%、5%の重錘を負荷として等張性運動を行わせた。尺側手根屈筋、橈側手根屈筋の活動を確認できた。回外筋では5%でより活動が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的は、0.2T立位膝用MRIを用い、深部筋および協同筋の筋活動比をT2強調MR画像強度とT2緩和時間を指標として分析することである。①T2強調画像信号強度およびT2緩和時間に関して、筋活動の再現性と妥当性を検討する。②表面筋電図法では、検出が困難であった深層部の筋と協同筋の筋活動の関係性を筋活動比から明らかにする。③電気刺激による筋収縮についてT2強調画像強度とT2緩和時間から頻度、時間、刺激の最適な方法を決定する。④随意運動による筋収縮と電気刺激による筋収縮の違いから運動分析を行う。 研究結果から撮像条件はTEを39msとしで25分~30分間は良好に弁別可能となったが平成25年度ではより弁別の精度を向上できたと考えている。筋活動は安静時T2 値はおよそ30msで運動直後およそ50msまで変化することがわかった。MRプローブ中での前腕手関節運動と位置がより正確になるようデバイスを改良した。平成25年度はこれを基礎として手関節屈曲(掌屈)運動の分析を行ったが前腕回外位と回内位では形状が違うためデバイスを新しく作成する必要が生じた。作成に時間を要した。この際運動負荷を最大等尺性収縮の25%、15%、5%の3段階で正規化した。3つの負荷であり被験者に3回の測定をすることから日程調整が容易ではなく計画より遅れる結果になっている。25%は通常の筋力増強の一つの指標なるが、主動筋に対する協同作用が確認できた。手関節屈曲運動に関して前腕回外筋の協同作用が推察された。現在手関節伸展(背屈運動について分析を行っているが当初の計画よりやや遅れている現状にある。続いて前腕回内、回外運動の分析を行うこなう予定である。続いて電気刺激と随意運動との筋収縮の違いを分析する予定である。部位によって小さい筋束への観察になるのでプローブの精度を向上させた後に開始する予定ある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に前腕の回内、回外運動の分析行う予定であったがこれらの主動筋が前腕の中枢と遠位に分かれているため、まず撮像の位置決めを決定する必要がある。これらの筋は手関節屈筋群、伸筋群に比べより小さい。このため筋活動を弁別するためにMRのプローブ精度を向上させる必要がある。送受信コイルの径を小さくして測定精度を向上させた後研究を進める。手関節背屈運動を測定した後にコイルを交換し測定を開始する。また精度を上げるためプローブの径をが小さくなったため運動時の固定デバイスを再度作成する必要がある。前腕回外、回内運動の後に電気的刺激によるとT2強調MRI画像強度とT2緩和時間の変化に関する研究を行う。平成25年度に度予備的研究を行ったが、これもMRのプローブ精度を向上させた後に行うべきと考えられた。平成26年度に得られた知見はMRI関係学会、理学療法関係学会に学会発表するとともに平成24年度~平成26度の成果を誌上発表の準備を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電気刺激装置は臨床用のものである。購入に際して研究に必要な電気刺激の機能のみを依頼したところ当初の計画より安価となった。また学会発表等が東京が多く旅費に関して支出が抑えられた。実験参加者(被験者)の応募が少なく謝礼が抑えられている。 送受信コイルの変更に伴い前腕を固定デバイスを新たに作成する必要がある。前腕の形が前腕回内と回外では形状が異なることが分かってきた。前腕の形状に合わせてすべて新たに作成する必要がある。またMR装置の関係でこれまで左上肢を被験肢とていたが右上肢も測定可能とするよう環境を整えた。このため右上肢用の固定デバイスを作成する必要が生じている。男女では前腕の太さがかなり異なるため大中小のサイズが必要と考えている。現在被験者は座位姿勢をとっているがシールドルームの広さとの関係で安楽、容易とするように工夫したい。主としてこれらの費用に充当したい。
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Research Products
(4 results)