2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中後歩行障害に対する、バタフライ・コイルによるrTMSの臨床的有用性の検討
Project/Area Number |
24500614
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
角田 亘 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (00453788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安保 雅博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00266587)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 経頭蓋磁気刺激 / 脳卒中 / 歩行障害 / 理学療法 / バタフライコイル |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中後の歩行障害に対する経頭蓋磁気刺激(TMS)治療については、過去にほとんど報告はみられていなかった。よって、我々は、大脳深部に位置する運動野下肢領域を刺激できるバタフライコイル(ダブルコーンコイルとも称される、刺激焦点が深いコイル)を用いて高頻度TMS刺激を行うことで、脳卒中後患者の歩行機能を改善させることができるか否かについての検討を行った。 クロスオーバー試験の結果として、バタフライコイルを用いた高頻度TMS治療は、sham刺激を行った場合と比して、有意に歩行機能を改善させることが明らかとなった。 さらに、これに歩行訓練を中心とした理学療法を併用した場合に、TMSによる歩行機能改善の程度が促進されることも明らかとなった。 これらより、我々は、脳卒中後の歩行障害に対しては、バタフライコイルを用いて大脳深部を刺激しながら、理学療法を併用するという治療戦略が、最も有用であると考えた。 現在においては、この併用療法(バタフライコイルを用いた高頻度TMSと理学療法の併用)を15日間の入院治療として対象患者に行っているが、その効果は概ね良好であり、特に有害事象も生じていない。この併用療法は、脳卒中後歩行障害に対する、新たな治療的アプローチのひとつになりうると考えられる。
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Research Products
(3 results)