2012 Fiscal Year Research-status Report
構音障害のリハビリテーションにおける舌の筋疲労の様相と改善についての研究
Project/Area Number |
24500618
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
西脇 恵子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (20398879)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 構音障害 / 言語聴覚療法 / リハビリテーション / 筋疲労 / EPG |
Research Abstract |
構音障害のリハビリテーションの際に、運動学習の頻度や量の適切性が未だに臨床家の経験によって処方されている状況である。また、運動学習には筋疲労の問題があるが、小さな筋で構成されている構音運動の筋疲労の実態は明らかになっていない。そこで本研究では、適切なリハビリテーションの指標とするための舌の筋疲労と回復過程を明らかにすることを目的とした。初年度は、まず健康成人をサンプルに実施することを計画した。まず、以下の二つの疲労課題を設定した。①舌の運動課題;舌の口蓋に対する最大押し付け圧を測定し、その最大圧の50%の力で連続して圧力をかける課題を疲労課題とした、②構音課題;無意味音節を緩読・速読の二つの相で発話させる課題とした。これらをベースライン期、疲労期(疲労課題の実施後)、回復期(課題を行わない休止期で値がベースライン期に戻るとき回復したとする)の3期に分けて測定する。評価方法として、①Win-EPGを用いて構音時の舌と口蓋の接触を測定し、その接触パタンを検討する、②構音時の音響分析(Speech Labを用いて破裂音におけるVoice Onset Timeを計測する)、③構音時の超音波診断装置を用いた舌の運動の記録、④患者の主観的評価などを用いた。舌は構成されている筋の種類から、健常者においては筋疲労を起こしにくい。したがって疲労を起こさせるような課題はかなり大きい負荷を必要とすることがわかった。このデータをそのまま構音障害者に用いることには無理があり、次年度以降に行われる予定の構音障害者のデータ解析が重要であることが予測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目的であった正常者のデータの集積がなされた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の計画通り、脳血管障害、Parkinson病、筋委縮性側索硬化症、口腔がん術後、脳性まひなどの構音障害のある患者について、疲労課題を設定し、データの集積を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の研究に使った、電気口蓋床はこれまでの研究で用いたものを使用出来たため、口蓋床作製にかかる研究費を使用しなかったが、次年度はEPGの人工口蓋床作製のための費用が必要となる。今回研究者の施設でも作製可能になったことから、その設備を整えるため、購入が必要な物品等が予測される。研究成果の報告のため学会出張、論文投稿に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)