2014 Fiscal Year Annual Research Report
重度障がい者用車いすシーティングにおける身体の長期変形過程シミュレーション
Project/Area Number |
24500623
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
塚田 敦史 名城大学, 理工学部, 准教授 (70349801)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクティブバランスシーティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,車いす上の座位姿勢の支持環境が身体に及ぼす影響について長時間を想定した解析を目指す.2012年度より身体脊柱モデルの構築を進めてきた.時刻歴解析にはモデル要素形状や精度の向上がより必要である.2013年度からは骨格標本模型からリバースして仮想空間上で有限要素モデル化を遂行した.形状表現は向上したが,形状の左右非対称性が大きい問題が生じ,精度は十分ではなかった.モデル化におけるこの課題を精査して克服することが必須であった. 2014年度は,外部より入手した解剖学的な3次元人体モデルデータをベースにソリッドモデル化を図り,有限要素モデル化する手法を展開した.そして構築時間を短縮でき,骨格標本により近似したモデルを構築できた.長時間を想定した解析には,要素数を極力抑え,解析時間を速くする必要があり,実現可能性を検討した.その結果,時刻歴解析が最後まで進行できなかった.要因には,生理的彎曲から要素崩壊または要素座屈が推測された.モデルの節点数を23万まで増大させたが,更なる増大が必要であった.用いた有限要素解析コードは要素(節点)数が制限されており,今後は要素数の増加は避けられず,最適な解析モデル実現の方策を行う.また2014年度は,車いすモデルを構築し,身体の着座を模擬した解析における影響を検討した.矩形体で表わした骨部周囲に皮膚を一様に付着したものを,身体簡易モデルとした.身体と車いすシート間は,拡大ラグランジェ法による接触状態を設定した.シートは厚さが極めて薄いため,接触時の食い込み量を考えなければならない.最も重要であったのが食い込み量を調整できる垂直剛性係数であり,接触解析は成功した. 以上より今後は,荷重条件と時刻歴解析に十分耐えうる要素数の増大を行い,力学的にも過酷な条件下で解析可能なモデル構築を進める.そして車いす上での症候性側彎の機序の可視化を行う.
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