2014 Fiscal Year Annual Research Report
廃用性筋萎縮からの回復過程に対する分子生物学的研究
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24500625
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
渡辺 正仁 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (70084902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (70268192)
山路 純子(田代純子) 関西福祉科学大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40340559)
山本 真紀 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (60240123)
廣島 玲子 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 准教授 (40404777)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ミオシン重鎖タイプI / 熱ショック蛋白質70 / IL-6 / カルシニューリン / La3+ / クロロゲン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の目的は、マウス由来の培養骨格筋細胞であるC2C12細胞を用いて、リアルタイムPCR法によりミオシン重鎖アイソフォームタイプI(MHC I)、インターロイキン-6(IL-6)、および熱ショック蛋白質70(HSP70)のmRNA発現量を測定し、骨格筋細胞の肥大に関わる細胞内メカニズムを同定することであった。 培養液中にIL-6もしくはLa3+を投与すると、MHC I、IL-6、HSP70 のmRNA発現量が増加した。次に、La3+とともにカルシニューリン阻害剤であるサイクロスポリンAを投与すると、La3+投与によるこれらのmRNA発現量増加が有意に抑制された。したがって、培養液中に投与したLa3+は骨格筋細胞内に流入してカルシニューリンを活性化し、転写因子NFATの活性化を介してIL-6 mRNA発現量を増加させたものと考えられる。しかし、MHC IおよびHSP70に関しては、カルシニューリン活性化により直接mRNA発現量が増加する可能性と、産生されたIL-6がオートクライン・パラクラインにより作用してこれらのmRNA 発現量を増加させる可能性が示唆される。そこで、カルシニューリン活性化剤であるクロロゲン酸を投与するとMHC I mRNAの発現量増加のみが観察されることから、カルシニューリン活性化はMHC I mRNA発現量増加に対して少なくとも一部は直接作用しているものと考えられた。しかし、ポリフェノールであるクロロゲン酸の細胞膜透過性は低いものと予想されることから、細胞内濃度が十分に上昇せずカルシニューリン活性化が不十分であり、IL-6 mRNA発現量が増加するまでに至らなかった可能性も考えられる。これを明らかにするためには、クロロゲン酸によるmRNA発現量の濃度依存性を確認すること、さらには細胞膜易透過性のカルシニューリン活性化剤の作用を検討することが必要である。
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Research Products
(4 results)