2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500629
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
目谷 浩通 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30330583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117)
関 聰介 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10341124)
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Keywords | 摂食嚥下のプロセスモデル / stage II transport / 摂食嚥下障害 |
Research Abstract |
ヒトの摂食嚥下生理におけるプロセスモデルを解釈する上で、嚥下運動における食物の咽頭通過時間を調査することは非常に重要である。理由としては、プロセスモデルで示されているstage II transportとは、摂食時の咀嚼に伴って嚥下可能となった食物が口腔から咽頭へ送り込まれる現象のことであり、否随意的な運動であり、無意識下で起こっている運動である。このため摂食中には絶えず食物は口腔から咽頭へ送り込まれている。 ヒトは食道と気道の解剖学的位置関係から誤嚥をしやすい院棟構造をしている。にもかかわらず、健常人で誤嚥が必発しない理由としては、摂食嚥下に関与する感覚・運動すべての協調的な運動がなされているからである。また呼吸との協調性も保たれていることも大きな要因である。 脳卒中や神経筋疾患などでは、麻痺や感覚障害が原因となり摂食嚥下機能に障害が生じる。咽頭に到達した食物の刺激を十分に認識できない、十分な筋力が発揮できない、協調的な運動が阻害される、呼吸に問題があるなど、摂食嚥下機能に大きく影響を及ぼす障害が存在する場合が多い。このため咀嚼中にstage II transportにより咽頭へ流入する食物を、如何に誤嚥させないかということは、臨床場面では非常に意味のある事項である。すなわちstage II transportの抑制や促通について、生理学的に知ることが重要となる。口腔から咽頭に輸送された食物は、一時的に咽頭腔内に保持され嚥下反射とともに食道へ送り込まれる。このため、食物の咽頭に停滞する時間が延長すれば、呼吸によって食物が誤嚥されてしまう可能性が高くなる。特に上述した理由などにより、嚥下障害患者では食物の咽頭停滞時間が延長する可能性が高い。そのため嚥下時の食物の咽頭通過時間、咽頭停滞時間を知ることが必要となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
単に摂食嚥下障害の自覚症状のみある者においては、咽頭停滞時間が延長するかどうかという点は不明確であり、今年度、嚥下に問題のなかった者と嚥下障害の自覚症状のある者の両群に対して、嚥下造影検査を行い、その咽頭通過時間の違いと計測ることで食塊の位置と自覚症状との関係性があることが知られた。 主となる健常人における咽頭内圧測定および咽頭収縮の関連については、対象者の既往歴や家族歴、治療歴に加え、年齢による層別化の必要性がある。また咽頭内圧測定については、内圧測定チューブを経鼻的に挿入すること、透視検査による被ばくの問題もあり、侵襲が加わるため、必要最小限の対象者の募集と最低限の被爆量を知るためのプレスタディーの準備を整えている。
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Strategy for Future Research Activity |
7月中にはプレスタディーを終了し、9月中には本データの収集および解析に入りたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定額よりも咽頭内圧測定機器の額が低かった。 繰り越しについては、造影剤や電極など消耗品を主体に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] スモン患者に対する摂食嚥下障害の評価2013
Author(s)
東野孝治, 清水五弥子, 目谷浩通, 吉原大貴, 関聰介, 平岡崇, 椿原彰夫
Organizer
第50回日本リハビリテーション医学会学術集会
Place of Presentation
東京国際フォーラム、東京、日本
Year and Date
20130613-20130613