2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500629
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
目谷 浩通 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30330583)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117)
関 聰介 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10341124)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | プロセスモデル[摂食嚥下の] / stage II transport / 食物物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
摂食・嚥下障害は,窒息,誤嚥性肺炎などの致命的な二次的な病態を引き起こすだけでなく,Quality of lifeを著しく低下させる原因となる.そのため,より有効なリハビリテーションの開発や摂食嚥下障害の運動学的病態の解明は欠かすことが出来ない.摂食嚥下障害患者では,食物物性を変えることで,安全に摂食を進める事ができることは知られているが,食物物性が生理的な摂食嚥下機能に与える影響については,あまり知られていない.そこで,食物物性が摂食嚥下運動に与える影響を知る事が本研究の主たる目的となっていた. Jeffrey B. Palmerらは,健常成人を対象にして,自由に摂食・嚥下させた嚥下造影検査を行い,ヒトは咀嚼を行いつつ咽頭へ次々と食物を送り込み(stage II transport),咽頭に貯留させた後,嚥下している事を証明した.嚥下機能が低下するとstage II transportによって送り込まれた食材が咽頭にとどまることによって、誤嚥を誘発する可能性がある。食物物性が摂食嚥下機能に与える影響を知ることは、stage II transportのコントロールにつながる可能性があり、誤嚥の予防すなわち摂食嚥下障害を持つ人にとって安全な食べ物を知るという事につながりうる。そこで過去には健常人を対象にして、咀嚼後の食物物性がどのように変化し、咽頭通過時間がどのように変化するかを調査し、咀嚼によって食物物性が嚥下しやすい物性に変化すること、咀嚼前の水分含有量によって、食物の嚥下の際に咽頭通過時間に影響を与えることが知られた。さらに食物物性によって嚥下時の咽頭内圧の変化を調査すべく、咽頭内圧の計測を試みたが、測定機器の侵襲が高いため、データの収集が困難であり、機器の改善が必要と思われた。現在は低侵襲な超音波を用いて食物物性と嚥下機能の関連を検討すべく研究継続している。
|
Research Products
(4 results)