2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500631
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
和田 太 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10341512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 親宗 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (50281837)
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Keywords | ロボット / 上肢訓練 / 振動刺激 / 運動錯覚 / 脳賦活 |
Research Abstract |
本年度は、脳卒中患者の上肢ロボット支援訓練中に肘周囲の腱に振動刺激を与え、振動錯覚を利用して感覚刺激を増強することで、機能訓練効果を高める振動刺激システムの試作を行った。振動子には、前年度に策定した電気式人工喉頭の振動子を用いた。しかし、健常者への本システム試用では、感覚増強の程度が予想より小さかったため、感覚増強が有効に行える腱刺激の部位、運動パターン、周波数の刺激パターンの組み合わせを検証する共に、振動子を固定する方法を策定した。 刺激のパターンの組み合わせの検証は、健常被験者5名を対象とした。振動刺激部位は、上腕二頭筋腱、上腕三等筋腱とし、振動を与えながら他動による肘屈伸運動(屈曲60度から0度、角速度10°/秒)を行った。振動刺激の条件は、条件1:定電圧(9V)で25Hz, 50Hz, 100Hz, 150Hz, 200Hz, 300Hz及び、条件2:全振幅がと0.5mmとなる様に電圧を調整した周波数25Hz, 50Hz, 100Hz, 150Hz, 200Hz, 300Hzとした。 運動感覚の増強は,肘他動伸展時には上腕三頭筋への刺激では弱く、上腕二頭筋腱への刺激が有効であった。また,逆に肘他動屈曲時には上腕二頭筋腱への刺激はほとんど刺激効果がなく、上腕三頭筋腱へ刺激で有効であった。条件1の定電圧では、肘屈伸運動共に100から150zで運動感覚の増強のピークが見られた。一方、条件2の場合は、定振幅では、肘屈伸運動共に150Hzで運動感覚の増強がピークとなった. 振動子の肘の屈側、伸側への固定は、ロボットによる他動運動する際にずれやすく、マジックテープなどの固定では振動子の振動を妨げ一定の刺激を与えにくいためるため、肘の屈伸を阻害しない専用のホルダーを作成して良好な結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
振動錯覚を惹起する振動刺激用の振動子は策定が完了したが、実際に他動運動中の刺激で十分な錯覚の惹起ができないため、その条件を検証するのに時間を要した。振動刺激装置はその電気回路はそのままでは大きく不安定なため、改修を行い小型化を容易でなく、専用の固定装置を作成するのに試行錯誤した。
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Strategy for Future Research Activity |
振動錯覚の惹起の条件が明らかになり、振動子を上肢に装着する装置、振動惹起用の装置の小型化が完成したことより、被験者を使った脳賦活の実験に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.本年度、支出予定であった光トポグラフィーのレンタル料の支出の必要がなくなったため。2.作成した振動刺激装置の効果が小さく、その刺激パターン及び振動子の固定方法の策定の必要が生じたため、本計測が遅れていること。 3.発表を予定した学会が雪のため、参加不可能となったため。 現在の振動刺激装置は装置が大きく、装置の扱いが難しいため、装置の改修費に回す予定。 本年度は光トポグラフィーのレンタル料が必要となっている。前年度、発表できなかった内容は本年度追加して学会発表を行う予定。
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Research Products
(2 results)