2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500632
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
飯山 準一 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (00398299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 佳弘 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (70623510)
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Keywords | 低温サウナ / 血管内皮機能 / 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 慢性腎不全 |
Research Abstract |
慢性腎不全(Chronic Kidney Disease; CKD)モデルを作成し、サウナ療法(Sauna Therapy; ST)反復後の腎組織でのeNOS mRNAの発現をReal time-Polymerase Chain Reaction(PCR)で確認することを目的とし、マウス(C57BL/6N)を用いて、5/6腎摘除(Nx)によるCKDモデルを作成し、無作為に偽手術・非ST (sham-non-ST, n=6)、偽手術・ST(sham-ST, n=6)、Nx・非ST (Nx-non-ST, n=5)、Nx・ST(Nx-ST, n=5)の4群に分けた。1日1回STに暴露させ、12週後に体重、収縮期血圧を測定(tail-cuff法)し、代謝ケージを用いて24時間蓄尿量、水分摂取量を確認した。残存腎臓を摘出し、Real time PCRでeNOS mRNAを定量化した。STには電熱式による対流温熱(EKK-450, AS ONE)を用い、深部体温を1℃上昇させるために41℃で15分間加温し、その後32℃で20分間保温した。Nxモデルは偽手術に比して有意な血清クレアチニンの上昇が認められた。Real time PCRによる解析でeNOS mRNAの発現量は、Nx-non-STに比してNx-ST groupで有意な増加が認められた。C57BL/6Nは遺伝的特徴から腎臓の耐性が高くCKDの進展が極めてマイルドであるため、術後に尿中アルブミンや血圧に差は認められなかったが、血清クレアチニンの有意な上昇が認められ腎不全モデルの完成が確認された。腎細動脈でeNOS mRNAの発現が増加しており、糸球体の血管内皮機能改善が期待できる。このBL6だけでなくストレインを変え、129SVでも同様の実験を行い、まだ完全に終了していないが、ポジティブな結果が得られつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腎組織内で一酸化窒素合成酵素がアップレギュレートされていることは確認できた。BL6だけでなく129SVで、プライマリーなエンドポイントである尿タンパクの有意な差が確認できつつある。今後、免疫組織学的に、腎組織内のどこで一酸化窒素の合成が増えているのか、その局在について明らかにしていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
温熱療法は運動の効果同様に、蛋白漏出の増悪を遅延させる可能性がある。温熱療法は運動障害が重度で、あるいは重度の呼吸循環障害のために運動制限があっても実施可能であり、重複障害患者にとって福音となる可能性がある。今後、臨床現場での治験につなげられるよう基礎的データを積み上げ、新たな内部臓器への非薬物療法を確立したい。
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Research Products
(2 results)