2014 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーションが脊髄損傷治療後の皮質脊髄路の可塑性に与える影響
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24500634
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Research Institution | National Hospital Organization Murayama Medical Center |
Principal Investigator |
植村 修 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (90365396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 湖太郎 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (50618733)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 皮質脊髄路 / 光遺伝学 / 脊髄損傷 / トランスジェニック |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄損傷に対する新規治療法である肋間神経バイパス術は、損傷部より近位にある肋間神経を支配筋である腹筋より切離し、その遠位端を損傷部より遠位の脊髄灰白質内に挿入する手技である。これにより切断された皮質運動野と損傷部以下の脊髄との機能的再連結を得ることが可能となる。しかし、本治療法による機能改善は検討されていない。本研究は、いかなる外的刺激がこの機能的再連結を促すかを検討することを目的としている。 機能改善の評価の一つとして、皮質脊髄路を光刺激し、得られた運動誘発電位の計測を予定していた。しかし、当初使用予定であったトランスジェニックラットは皮質脊髄路以外にもイオンチャネル結合型光受容体であるチャネルロドプシンを発現しており、目的としていた皮質脊髄路と損傷部より末梢の脊髄との機能的再連結の評価が困難であった。そこで、皮質脊髄路にチャネルロドプシンを特異的に発現するトランスジェニックラット系統を作製することとした。トランスジェニックラットの作製には、F0陽性産仔を得ることができずに時間がかかったが、1個体の陽性FO産仔を得ることができたため、継代を行っている。現在はF1世代のスクリーニングを行っている。今後発現解析を行い、さらに皮質脊髄路を光刺激することで運動誘発が可能となるかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定としていたトランスジェニックラットの陽性個体を得ることができた。系統の樹立を行っており、樹立され次第発現解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
皮質脊髄路を光刺激し運動誘発電位を記録することができたら、バイパス群に対して光刺激を行い、機能的再連結が起きたかを検討する。また、バイパス群を運動訓練群、非訓練群にわけ、それぞれの群に対してBBBスコアなどを用いて運動機能の評価を行い、バイパス術が機能回復に与える影響を検討する。 また、バイパス術により、切断された皮質脊髄路がバイパスとして用いた肋間神経の細胞体へ選択的に軸索を伸展させることが我々の研究で明らかとなったが、運動機能の改善と皮質脊髄路の肋間神経細胞体への軸索投射に相関があるかを検討する。さらに、光刺激がこの軸索投射を促進しうるかまで検討したい。
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Causes of Carryover |
当初使用予定であったトランスジェニックラットでは皮質脊髄路のみを光刺激することができず、それが可能となるトランスジェニックラットを新たに作製することとなった。光刺激装置は系統樹立後に購入予定としていたため、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
トランスジェニックラットが作製でき、かつチェネルロドプシンの発現解析が終了次第、光刺激装置を購入予定である。
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