2012 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害者誘導用ブロックの設置方法の適正化に関する研究
Project/Area Number |
24500639
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 智美 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90330696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 克己 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30197868)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 点字ブロック / 視覚障害 / 車いす / バリアフリー |
Research Abstract |
点字ブロックは全国的に広く普及していること、視覚障害者が通常使用している歩行手段をほとんど変更しなくても利用できること、設置にかかる費用が他の誘導設備に比べて安いこと等から、視覚障害者にとっては点字ブロックに代わる移動援助システムはない。しかし、点字ブロックの設置方法には誤りが多く、メンテナンスに問題がある箇所も少なくない。このような誤った方法での点字ブロックの設置は、視覚障害者の移動の効率性を低下させるだけでなく、危険性を増大させることになる。 そこで、平成24年度は日本及び海外において点字ブロックを誤って設置している地域において点字ブロックの設置状況及びその誤りを明らかにするためのフィールド調査を行うとともに、その地域で生活している視覚障害者にヒアリング調査を行った。 その結果、国内外で不適切に設置されている点字ブロックを「視覚障害者が危険を感じる設置」5種類、「視覚障害者が認識できない設置、とまどいを感じる設置」12種類に分類できた。特に、「視覚障害者が危険を感じる設置」のなかでも、「横断歩道入口、階段前に警告ブロックが設置されていない」状況が視覚障害者にとって、最も危険を感じることを確認した。また、国内外において、限られた地域に限定して使用されているブロックやルールがあり、統一がとれていないことが明らかになった。現在は、グローバル化が進み、視覚障害者が自国以外を訪れる機会が増えている。統一がなければ、視覚障害者に危険が生じる。世界標準の共通したブロック及び設置ルールが早急に求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の点字ブロックの設置状況に関する調査、ヒアリング調査はおおむね順調に進めている。できるだけ多くの国や地域を効率よく回って調査するように努力したが、1年間で調査できる箇所が限られてしまった。平成25年度も継続して調査を行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究に引き続き、国内外の不適切な設置箇所に関するフィールド調査と視覚障害者に対するヒアリング調査を行っていく。特に、海外に関しては、最近、急激に都市のバリアフリー化を進めている中米や中欧などの国を中心に調査を行う予定である。 また、視覚障害者による点字ブロックの評価実験を行う。具体的には、屈曲部の警告ブロック、横断歩道前の警告ブロック、スロープの前後における警告ブロック等の詳細に設置規則が必要である場面を想定して、いくつかのパタンの点字ブロックを実験室に模擬的に設置する。そこを視覚障害者に移動してもらい、どのパタンが安全性を確保できるか、また認識しやすいかを測定するとともに、車いす使用者等のバリアになりづらく、かつ視覚障害者が安全に利用できるブロックの設置方法はどのパタンであるのかを明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当しない
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