2013 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害者誘導用ブロックの設置方法の適正化に関する研究
Project/Area Number |
24500639
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 智美 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90330696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 克己 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30197868)
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Keywords | 点字ブロック / ご当地ブロック / ご当地方法 / ベビーカー使用者 / バリア発見フィールドワーク |
Research Abstract |
北中南米11か国、アジア4か国、アフリカ7か国、ヨーロッパ20か国の公共的建物、主要鉄道駅、繁華街の周辺地域において、「バリア発見フィールドワーク」の手法を用いて、不適切に設置されている点字ブロックを発見した。調査を行った国のうち、北中南米の7か国、アジア4か国、アフリカ2か国、ヨーロッパ16か国にブロックが設置されていた。日本と同様のブロックと方法で設置している国もあったが、多くの国では、日本と同様のブロックと設置方法を用いている箇所と独自のブロック(ご当地ブロック)、独自の設置方法を使用している箇所(ご当地方法)が混在しており、視覚障害者が移動する際に混乱し、けがにつながる危険性のある箇所が多数みられた。 また、ベビーカー使用者、幼児を持つ保護者を対象に、点字ブロック上の移動のバリアについて明らかにした。ベビーカー使用者の半数以上はブロックの凸面で車輪が引っ掛かる経験をしていた。特にブロックが設置されていて困る箇所は、スロープ上、エレベータ前の全幅、横断歩道前の全幅、改札であった。幼児を持つ保護者においても、階段前のブロック、修繕されていないブロックで子どもが転んでけがをするケースが数多くみられた。 さらに、バリア発見フィールドワークによって明らかになったご当地ブロック、ご当地方法についての適・不適を検討した。これにより、ブロックの凸面が盛り上がっていたり、大きすぎたりする場合に、車いす使用者等のバリアになりやすいことが明らかになった。その反対に、ブロックの凸面が足の裏や白杖で検知できない高さしかない場合に、ブロックの存在に視覚障害者が気づかずに、立ち止まるべき個所で止まれない可能性があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールドワーク調査、車いす使用者、ベビーカー使用者、乳幼児を持つ保護者などに対する点字ブロックに関するニーズ調査はほぼ順調に進んでいる。視覚障害者の安全を確保しつつ、車いす使用者などの他の歩行者との共生を考えた上で、どのように設置すべきであるのかについての提案をするための検討にやや時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
点字ブロックが設置される場面(たとえば、横断歩道前、エレベータ前、エスカレータ前、中央分離帯など)ごとに具体的にどのような設置が望ましいのかについて、これまでに収集したデータをもとに、検討し、提言をしていきたい。
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