2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500649
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
李 旻哲 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (60363397)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 健康・福祉工学 / 生体情報計測 / 生体情報システム / 生体工学 |
Research Abstract |
本研究では、高齢者の運動効果判定及び下肢血行不良・褥瘡等の予防をするためにレーザースペックル血流画像化法(Laser Speckle FlowGraphy)を用いて、高齢者の運動前後の血流変化を測定し、その血流変化を数値的に観察できる小型プローブと高速演算・表示機構を一体化したハンドヘルド型の皮膚表層血行測定・表示システムを開発する。この運動の結果を数値的に表すことで、運動効果の把握や運動意欲の向上につながる。そこで運動での筋肉への刺激、血中酸素の消費、体温の上昇などによって起こる血流量の増加を観察することが、適切な運動効果を示す指標になると考えられる。 この年度は、皮膚血流測定システムの測定プローブの設計・試作が中心となる。今回の測定システムは制御基板を搭載した測定プローブで測定・結果表示などすべて行うようにする。詳しい開発項目は以下のようになる。 1.半導体レーザー駆動用の定電流回路と、温度制御回路を組み込んだプリント基板の試作を行う。詳しくは、レーザー出力と温度制御、イメージセンサー駆動用クロック発生、PCとの通信を行うためにH8SXマイコンを用いた専用のプリント基板を設計・試作する。統合開発環境を用いて、デバッグを行う。 2.ラインセンサー出力をマイコンに取り込むアナログ/デジタル部の製作を行う。詳しくは、ラインセンサーをマイコンのタイマー部を利用して駆動し、出力信号をA/D変換してマイコン内蔵メモリーに取り込む部分を製作する。駆動用ソフトとメモリー内のデータをPCに転送するソフトも合わせて試作する。 3.レーザー光を30mm×1mmの線状に拡げる光学系の設計や半導体レーザーと円筒レンズ2枚を組み合わせた光学系を製作し、有機ELディスプレイμOLEDとのデータ通信のためのシリアルコミュニケーションインターフェースの開発を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究については全般的に少し遅れている。 1.半導体レーザー駆動用の定電流回路と、温度制御回路を組み込んだ基板については電源周りの部分の修正が必要であるが全般的に動作可能である。次年度に基板の修正を行ってシステムを構築し、評価実験を行う。 2.OLEDを用いた外部記憶装置インターフェースを開発については測定データの保存が可能であることを確認したが機能的な限界があった。OLEDをLCDに変更することで外部記憶装置実装することが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、皮膚血流測定システムの測定プローブの改良、性能評価実験、測定実験が中心となる。血流測定システムの制御と血流変化を有機ELディスプレイに表示できるソフトウェアを改良し、評価実験を行う。詳しい開発項目および研究計画は以下のようになる。 1.データ処理にシングルボードマイコンを使い、そこで統計処理を行い、測定したデータを有機ELディスプレイ(OLED)で血流変化を観測できるようにし、散乱板を回転させながら、その速度変化に対する血流マップの変化を調べ、対速度特性を詳細に調べる。 2.測定時間の短縮化と、装置のコンパクト化を目指した改良を行う。大量のデータを取り扱うことになる場合は測定プローブ内にSDカードでデータを保管できるようにソフトウェアを開発して、データベース化を推進する。今回新たに開発したシステムを用いて測定実験を行う。被験者が様々な運動を行い、その運動前後の血流値の比較を行う。測定時には被験者は椅子に座り、被験者自身が測定プローブを測定部位に当て、測定者が測定操作する。測定部位は手首中央部分とする。手首は他の箇所より比較的皮膚が薄いため血流の変動が分かりやすく、また被験者自身が測定しやすいため測定部位として採用した。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)