2012 Fiscal Year Research-status Report
音声画像を用いたウエアラブル聴覚代行・補助システムの開発
Project/Area Number |
24500650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
上田 裕市 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00141961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 聡 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (80336205)
池田 隆 久留米工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80222884)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 音声情報処理 / 聴覚障碍者 / 画像処理 / 信号処理 / DSP / 福祉工学 |
Research Abstract |
本年度計画していた項目のうち,ピッチ・ホルマント抽出処理に関して,PCベースのC言語シミュレーションを行い,市販DSPボード上でリアルタイム処理を確認した.さらに,小型DSPモジュール上に処理プログラムの実装を行った.結果として,ファイルベースでの処理については確認されたが,マイクベースのリアルタイム処理において,USB系統とのDSPシステムとのインタフェースに時間を費やしたため年度内にマイク入力でのリアルタイム・システムの実現には至らなかった.PCベースの音声画像表示のための従来のC言語プログラムをDSPでのリアルタイム向けに置換する作業はほぼ終了し,DSPへの実装が残されている. もうひとつの計画目標であったリアルタイム音声画像の視認性に関する心理実験については本年度は当該画像の実験システムが上述のように未構築のため実施に至っていない.ただ,音声画像を含めた音声の視覚フィードバック方式の新たな展開については検討を行い,感覚代行シンポジウムや支部連合大会において成果を発表した. 一方,画像表示と併用する補聴音声呈示のための処理方式については,ホルマント強調補聴処理や音声復元方式の研究などを進め,学会の支部大会や研究会などで発表した.また,補聴目的の聴覚フィードバックにおいて重要となる音声パラメータ群についての新しい変換方式についての研究をまとめ,国際会議にて発表予定(確定)である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マイク入力ベースのDSPベースの音声分析装置の完成まで至らなかった.そのため,当初予定していたリアルタイムベースので音声画像表示に関する心理実験が実施できなかった.装置の完成に居たらなかった理由の一つは,研究代表者(上田)が,2012年9月から翌年1月まで5か月間の客員研究員として海外研修に出たために,ハードウエアに向かった現場での実働及び大学院生の直接指導ができなかったことによる.メールやスカイプなどで共同研究の具体的な体制は整えていたが,当初予定のエフォートでの時間確保ができなかった.ハードウエア構築においては,現場での実施と指導が不可欠であったために,システム構築においては当初の計画よりやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者である大学院生や学外の研究分担者との連絡を密にとり,早急にリアルタイムハードウエアシステムを完成させる必要がある.その上で,音声画像の視認性や補聴音声との併用効果,更なる視聴覚情報の補足についての検討を行う予定である.システム設計・製作においては,状況によって外注もあり得るという前提で進めていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額がゼロにならなかったのは,5か月の海外研修を終えて1月末に帰国した時点での残額調整不手際により,\11,904が次年度使用分として残ったものである.次年度は,システム開発と研究成果発表(主に,組込む予定の補聴音声や音声変換に関する提案方式)経費と旅費として使用予定である.また,心理実験での謝金の支出も予定している.
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Research Products
(6 results)