2013 Fiscal Year Research-status Report
色覚特性者のための視覚的顕著性に基づく注視誘導による生活支援基盤の実現
Project/Area Number |
24500653
|
Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
滝本 裕則 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (10413874)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満倉 靖恵 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (60314845)
|
Keywords | 色覚バリアフリー / 色覚特性 / 視覚的顕著性 / 注視誘導 |
Research Abstract |
これまでに、色覚特性者のための色覚バリアフリーシステムや画像の再配色法が提案されている。しかし、色覚特性者に関する無意識的な視覚的注意の引かれやすさである誘目性についての研究はほとんどない。我々は、色覚特性者に対して自然かつ効果的な注視誘導を行うため、視覚的顕著性に基づき、無意識的な視覚的注意である誘目性に影響を及ぼす画像の特徴を明らかにし、様々な色覚特性の型に応じた誘目性モデルの構築を目的とする。さらに、我々が提案した画像の再配色手法に対して、誘目性モデルによる注視誘導技術を適用することにより、異なる視覚的注意からなる新しい概念のカラーユニバーサルデザイン基盤技術を提案し、その有効性を示す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、主に以下に示す3つの項目について研究を行った。 1)人の注視を遮ることなく、より自然に視線を誘導する視線インタフェースの実現を目指して、視覚的顕著性に基づく違和感のない画像修正法の改善 2)視線計測装置を用いて意図した領域に視線を誘導できているか検証するための評価実験 3)色覚特性者に対する再配色手法の改善 前年度は実施順序を多少変更し「視線誘導技術の早期確立」に向けて研究を行った。今年度は、視線誘導技術の精度向上に加え、色覚特性者に対する誘目性に関する指標である視覚的注意のモデル化に関する研究を行った。全体としておおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、基本的には当初の申請書通りに進める予定である。特に、平成26年度は、これまでに提案した注視誘導技術と色覚特性の誘目性モデルに基づく、色覚特性者に対する注視誘導技術の確立とその有効性をの検証を行う。また、評価実験の被験者を募り、様々な視覚的情報に対する色覚特性者の視線情報を収集後、提案手法の有効性を検証するための評価実験を実施する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、主に被験者実験を重点的に行った。そのため、旅費(調査研究旅費)や物品費が当初の予定よりも少なかった。 この差額分については、当初の予定通り、今後、研究分担者との連携をさらに密にし、慶應大学での評価実験を行うための調査研究旅費として使用する予定である。また、平成26年度分の研究費については、計画通りに執行する予定である。なお、研究経費の旅費の一部については、国内外で開催される学術研究会での研究成果発表に関する大学院生(岡山県立大学大学院 有田里美、国井達彦、人見修平)の旅費等にあてる。
|