2015 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットスーツハルを用いたリハビリテーションプロトコルの開発と有効性に関する検討
Project/Area Number |
24500659
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
河西 理恵 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (60458255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 岩徳 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (20590988) [Withdrawn]
武田 朴 早稲田大学, 理工学術院, 招聘研究員 (40583993)
武藤 友和 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (50583986) [Withdrawn]
木村 裕一 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (60205002)
縄井 清志 つくば国際大学, 保健医療学部, 教授 (50458254)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロボットリハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ロボットスーツHAL(HAL)の有効性について検証することである。平成27年度の実績として、2015年5月にシンガポールで開催されたWorld Confederation of Physical Therapy(WCPT)国際学会でこれまでの研究成果を発表した。また英語論文にこれまでの研究成果をまとめ、学術雑誌Japanese Physical Therapy Science (JPTS)に投稿し掲載が決定している(掲載は2016年6月号の予定)。27年度の研究成果は以下のとおりである。HALが脳卒中片麻痺患者の立ち上がり動作および立位姿勢の改善に与える影響について、加速度計と筋電図を用いて分析した。加速度計による解析結果から、HAL装着により立ち上がり動作中の体幹の最大前傾角度が非装着時と比べ平均8度改善することを示した。これは、HALによる股関節屈曲アシストが適切に行われたことを示唆しており、HAL装着により重心の前方移動が促進され、効率的な立ち上がり動作が可能になることが示唆された。また、筋電計にて麻痺側内側広筋の積分筋電図を解析した結果、HAL装着により、立ち上がり動作および立位姿勢における平均積分筋電図が、非装着時の88.6%から66.3%に減少することを示した。これは、HALが痙性等による不随意な筋活動を抑える効果があることを示唆している。一方、全ての被験者でHAL装着により動作時間が延長することが示された。これは、患者の動作を安全に遂行するため、HAL自体による自律制御が働いたことによると考える。以上の結果から、HALは脳卒中片麻痺患者の立ち上がり動作および立位姿勢の改善に対し一定の効果があり、かつ動作を安全に行うことが可能なロボットであることが示された。
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