2014 Fiscal Year Annual Research Report
定量的データに基づくプラスチック短下肢装具機能の分析・評価
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24500666
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
北山 一郎 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (80426535)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 短下肢装具 / プラスチック短下肢装具 / 歩行分析 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
開発した6軸力覚センサー内蔵のプラスチック短下肢装具(PAFO)を用い、本年度新たに2名の健常者のデータと2名の短下肢装具使用者のデータを取得した。データを分析した結果、前年度と同様に、立脚相のはじめに片足に全体重が負荷される付近で装具は最大後方荷重(底屈方向荷重)を受けるが、その値は健常者では小さく、比較的軽度の装具使用者、比較的重度の装具使用者の順で大きくなることが分かった。また一方、立脚相終盤(片足荷重から両足荷重に移る付近)では、先ほどと逆の順で装具が受ける最大前方荷重(背屈方向荷重)が小さくなることが分かった。これらのことから装具はそれを使用している人に対し、安定性を必要とする片足荷重時において、立位バランスを保つ際に役立っていることが分かった。一方、健常者のように前方への推進を必要とする場合には、装具により後方に引き戻されるような負荷を身体が受けていることが確認された。 また、装具の踵部を取り除くなどのトリミングの作業にともなう装具の力学的挙動の分析については、取得した装具の3次元形状データに対し、上記実験により獲得した装具使用者の力学的データと有限要素解析ソフト(ANSYS)を用いたシミュレーションを実施した。シミュレーションでは、実際の装具におもりによる静的負荷をかけた時の変形とシミュレーション結果が一致することを確認した上で分析を進めた。分析によると、比較的重度の装具利用者において、踵部のトリミングを大きくした場合、装具の内果部分と外果部分および内側下方部分の応力集中が大きくなることなどが分かった。なお、同分析を行うにあたり、装具あるいは身体の3次元形状データを3Dスキャナーで取得し、そのデータをCADで加工した後ANSYSで分析し、さらに3Dプリンタで製作するというデータ変換を含む一連の処理手法も確立することができた。
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