2012 Fiscal Year Research-status Report
物体把持情報伝達システムを備えたバイオミメティック義手の開発
Project/Area Number |
24500667
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
奥野 竜平 摂南大学, 理工学部, 准教授 (90294199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 堅造 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30029277)
赤澤 淳 明治国際医療大学, 保健医療学部, 助教 (10460742)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 義手 / 筋電図 / 電気刺激 / せん断応力 / 歪ゲージ / 仮現運動 |
Research Abstract |
本研究においては,義手による物体把握時の感覚情報と把持状態を使用者に伝達する物体把持情報伝達機能を備えた筋電義手の開発を行うことを目的とする.本年度に得られた成果を以下に要約する. (1) 義手人工手掌部におけるすべりと把持力検出センサの試作:物体を把握した時に生じるすべりを検出するため,人工手掌部に埋め込み可能な滑りセンサのプロトタイプを試作した.本センサは十字型の金属板を台形状にし,直交する2斜辺に歪みゲージを貼付したものである.試作したセンサを用いた実験を行い,せん断応力が大きくなると伴に歪みゲージの出力も増加した.また,せん断応力を負荷する角度により正弦波状に出力が変化すること,直交する方向に貼付したひずみゲージの出力の位相差が90度であることを示した.このことから試作したセンサを用いて物体把握時のせん断応力の方向と大きさを計測することが可能であることが示唆された. (2)皮膚電気刺激による刺激パターンの検討:皮膚電気刺激を用いた5種類の仮現運動刺激パターンを提案した.前腕部を対象とした刺激提示実験を行い,識別可能であることを示した. (3) 多チャンネル筋電図計測法の検討:義手の制御信号である多チャンネルの表面筋電図を計測・処理するため,8チャンネル表面電極を用いた筋電図の計測法を提案した.本手法では計測された筋電図を短い時間間隔で区切り,独立成分分析(ICA)を用いて筋運動制御信号の基本単位である運動単位の同定を行うものである.弱い等尺性収縮実験を行い,運動単位の同定が可能であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
義手人工手掌部に貼付するためのセンサのプロトタイプを試作し,せん断応力の大きさ,方向により出力が変化することを示した.これによりセンサのハードウェア構造の基本はできたものと考えられる.今後,信号処理法を決定し,せん断応力の方向,大きさを検出可能なアルゴリズムを完成させる.また,電気刺激パターンについては5種類の刺激パターンを提案した.筋電図処理については筋と皮膚の相対的位置関係が変化した時の波形変化にも対応できるように,時間分割した筋電図に対し独立成分分析(ICA)を用いた波形同定手法を提案することができた.このことから,本研究では本年度予定した研究内容を概ね遂行することできたものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究成果を元に次年度以降,下記の事項について研究を遂行する. (1)義手人工手掌部におけるすべりと把持力検出センサの試作:平成24年度に試作したセンサのプロトタイプを元に改良を行うと伴に,信号処理法を決定し,せん断応力の方向,大きさを検出可能なアルゴリズムを完成させる. (2)義手人工手掌部の試作:把持力,すべりの検出可能なセンサを備えた義手人工指先部,手掌部を試作する.義手の示指,中指および母指の手掌部に前年度試作したセンサを備えた人工手掌部を試作する. (3)電気刺激を用いた刺激提示システムの試作:前年度決定した刺激パターンを備えた刺激提示システムを試作する.心理物理実験を行い,情報の伝達が可能であることを示す. (4)多チャンネル筋電図処理方式の開発:前年度に検討した独立成分分析(ICA)を用いた手法を改良すると伴に,運動時の筋電図に対して運動単位の波形分離が可能であるかを検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
多チャンネル筋電図処理法の開発において,本年度は短時間の8チャンネルの表面筋電図を計測した.しかし,義手の制御においては長時間の筋電図処理が必要であるため,現在使用している計算機では能力的に不十分である.そのため,演算速度の速く、操作性、安全性に優れた解析システムが必要である.システムを構築するには2012年度の残予算(約30万円)では難しく,2012年度の残予算と2013年度予算を合算し,解析用システム(約40万円)を購入する予定である.
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Research Products
(8 results)