2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24500670
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
春山 和男 宇部工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (60270336)
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Keywords | 離床検知 / 超音波レーダ / 電灯線通信 |
Research Abstract |
本研究では、ナースコールの整備されていない中小高齢者用福祉施設や一般家庭において使用可能な超音波レーダ型離床検知装置および電灯線通報装置を研究・開発することを目的とした。 超音波レーダ型離床検知装置は、開放型超音波送受信素子を用いた装置の開発の後、最終的な開発目標である防水型超音波送受信素子を用いた装置の開発を行った。現在のところ開発途中であるが、性能的に目指す結果が得られつつある。この研究と並行して、この装置を用いて他の用途に使用することの検討も行った。本来はベッドからの高齢者等の離床検知を目的としたものであるが、それ以外に浴室内での安否確認装置や超音波の反射波強度から路面の安全性を知る装置等への利用を考え、これらについても利用できないか検討を進めている。 電灯線通信装置については、昨年度同様に装置の回路構成の検討や試作を行った。こちらについては電波法の制限があるため装置の構成に制限があり、希望する性能の装置の製作には至らなかった。 これらの研究を進めるにあたり、今年度は本助成金で基板加工装置と3Dプリンタ・3Dスキャナを購入した。基板加工装置は試作する装置の基板作成に、3Dプリンタ・3Dスキャナは試作する装置のケース等のパーツの試作に大いに役立つものと期待している。 さらに、昨年度同様によりよい装置を開発するために様々なセンサや回路についての検討も行った。ホール素子や磁気抵抗素子については家電製品モニタリング装置に、焦電センサ等についても検討を進め、使えるようなら本研究で取り上げたいと思っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音波レーダ型離床検知通報装置については、空中開放型超音波センサを使用したモデルの開発後に発展型となる防水型超音波センサを使用したモデルの開発を始めたが、ほぼめどが立った段階になったときに、使用を予定していた防水型超音波センサが入手不能(メーカー廃番)になってしまった。そのため代替え品をいくつか探して実際に実験を行って使用可能なものを選び、その素子の特性に合わせて一部回路も見直して開発を進め、あと少しで目標とした性能の装置ができるところまできている。 電灯線通信装置については、残念ながら昨年度同様開発が多少遅れ気味である。昨年度は電波法へ適合させるために各回路を構成しようとして、それに思ったより時間を取られかつ思いどおりの性能が得られなかったので、今年度は市販の電灯線通信装置と組み合わせるタイプのシステムについて検討を行った。昨年度の方法と今年度の方法とでどちらが優れているか検討し、実用化に向けて開発を進めていこうと思っている。 これら以外にも、高齢者の安否確認のためのシステムの開発を行っている。家電製品のモニタリングシステム等であり、いろいろなシステムを組み合わせることでよりよい安否確認システムを開発していこうと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、過去2年間の研究を発展させ、さらなる試作や改良等を進めて総まとめを図ろうと考えている。 超音波レーダ型離床検知通報装置は開放型超音波センサに替えて防水型超音波センサを用いる目処が立ったので、これを用いて検知装置の試作を行い、実用化に向けた試験を行う。そして実験結果を元に改良し、よりよい装置の開発を図る。同時に、本来考えていた用途以外の用途、例えば超音波なら水蒸気中でも問題なく利用できるので、浴室内での安否確認への利用への検討や実験を行う予定である。 電灯線通信装置は、昨年度と一昨年度でそれぞれ違うアプローチを試みたわけだが、残念ながら未だ満足できる解決方法が見つかっていない。今年度は過去2年間の研究を見直し、再度検討し直す。最終的には実際に試用できる装置の製作ができればと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電灯線通信装置をはじめとして、一部の開発遅れに伴い装置の試作にも遅れが出ており、本来は昨年度中に試作を行うはずだったものが遅れたため、その分次年度使用額が生じてしまった。 理由の項で述べた、遅れている装置試作用の部品購入と製作用の工具等の消耗品購入とに使用する予定である。
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Research Products
(8 results)