2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24500677
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
塚原 玲子 愛知医科大学, 公私立大学の部局等, その他 (80227371)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 意思伝達システム / 皮膚交感神経活動 / 交感神経皮膚反応 / 交感神経血流反応 / 事象関連電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
無毛部皮膚の発汗や皮膚血流など交感神経系の反応は、人の情動過程やメンタル・ストレスと強く結びついているばかりでなく、随意動作の実行とも関連して生起する。本研究は、素早い随意動作の実行や動作意図が交感神経系の反応と関わる中枢過程を明らかにし、その結果として、随意動作によらない意思表示システムの入力スイッチとしての交感神経反応に“随意性”を与えることを目指した。そのため、まず、課題の認知に関連して起こる皮膚交感神経(発汗神経、血管収縮神経)バーストと脳波のパターンを分析し、発汗神経発射は課題に対する注意、血管収縮神経発射は体性感覚の認知と関わることが示唆された。われわれは、随意動作にともなう交感神経反応について、仮説として大脳運動野からのdescending volleyあるいは随意動作の中枢過程が発汗中枢に働くと考えている。随意動作にともなう交感神経反応と大脳運動野からのdescending volleyのかかわりを明らかにするため、経頭蓋磁気刺激(TMS)を一次運動野・運動前野に加え随意動作に伴う皮膚交感神経バーストの出現様相と比較した。皮膚交感神経発射の出現率は、一次運動野TMS、運動前野TMSと随意動作の間で著差はなかった。また、一次運動野TMS、運動前野TMSと随意動作による皮膚交感神経バーストの出現率は、末梢神経刺激や聴覚刺激を加えた場合より高かった。このことから、中枢運動過程が無毛部皮膚支配の皮膚交感神経賦活を含んでいると考えられたが、大脳運動野からのdescending volleyがに必要かどうかについては結論できなかった。随意動作によらない意思表示システムの入力信号としては、動作の企図だけで起きることが望ましいが、外肛門括約筋など入力信号として取り出しにくい動作でも交感神経反応は起きるので入力信号の候補になりえると考えられた。
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Research Products
(3 results)