2012 Fiscal Year Research-status Report
タンデム自転車エルゴメータの開発とその応用に関する研究
Project/Area Number |
24500686
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小野寺 昇 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (50160924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 敬章 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40343214)
荻田 太 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (50224134)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 自転車エルゴメータ / タンデム自転車エルゴメータ / 酸素摂取量 / 心拍数 / 呼吸交換比 / 血圧 / 踏力 / 変動係数 |
Research Abstract |
タンデム自転車エルゴメーターを開発した。タンデム自転車エルゴメーターの運動負荷装置としての妥当性を求めた。新開発のタンデム自転車エルゴメーターが測定機器として妥当性であれば前乗りと後乗りで生理的指標が一致するものと仮説を立て、検証した。 被験者は、最高酸素摂取量が同程度の健康な成人男性6名(身長:168±3.7 cm、体重:63±6.8 kg、年齢:21±1.8 歳)とした。心拍数・血圧・主観的運動強度・酸素摂取量を測定項目とした。実験条件は一人乗り自転車エルゴメーター条件(シングル条件)、タンデム自転車エルゴメーター前乗り条件(前条件)と後乗り条件(後条件)とした。運動負荷は、多段階負荷法(1.5kp、2.0kp、2.5kp)を用いた。 シングル条件の酸素摂取量(ml/kg/min)は1.5kp:19.6±1.2、2.0kp:25.2±1.0、2.5kp:32.5±3.5、前条件は、1.5kp:20.6±1.8、2.0kp:26.0±3.0、2.5kp:32.4±4.4、後条件は、1.5kp:20.3±1.2、2.0kp:25.6±2.5、2.5kp:32.7±2.7であった。心拍数、血圧、主観的運動強度も条件間に有意な差はなかった。酸素摂取量における3条件の変動係数(%)は、1.5kp:5.9±4.5、2.0kp:5.5±2.9、2.5kp:5.9±1.4であった。先行研究は、自転車エルゴメーター運動の日内変動を平均5.6%,日差変動を3.0-10.0%と見積もっている。 これらの評価から、今回開発したタンデム自転車エルゴメーターの測定機器としての妥当性が検証された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、タンデムエルゴメータの運動負荷装置としての妥当性を証明した。1人乗り自転車条件、タンデム前乗り条件、タンデム後ろ乗り条件、以上3条件の変動係数(CV値)が妥当な数値6%以内を示すとする仮説に対してCV値の数値が6%以内であることを示した。この成果を17th annual Congress of the ECSS-Bruges-Belgium-2012(ヨーロッパスポーツ科学会議)においてMini-Oral Presentation(Book of Abstract pp623)として公表した。 評価項目は、心拍数、酸素摂取量、血圧、呼吸交換比とした。心拍数は、胸部双極誘導から求めた。酸素摂取量は、ダグラスバック法から求めた。血圧は、水銀式血圧計を用いて求めた。呼吸交換比は、ダグラスバック法で分析した酸素濃度と二酸化炭素濃度の比から求めた。 シングル条件の酸素摂取量(ml/kg/min)は1.5kp:19.6±1.2、2.0kp:25.2±1.0、2.5kp:32.5±3.5、前条件は、1.5kp:20.6±1.8、2.0kp:26.0±3.0、2.5kp:32.4±4.4、後条件は、1.5kp:20.3±1.2、2.0kp:25.6±2.5、2.5kp:32.7±2.7であった。心拍数、血圧、主観的運動強度も条件間に有意な差はなかった。酸素摂取量における3条件の変動係数(%)は、1.5kp:5.9±4.5、2.0kp:5.5±2.9、2.5kp:5.9±1.4であった。先行研究は、自転車エルゴメータ運動の日内変動を平均5.6%,日差変動を3.0-10.0%としているここから、タンデム自転車エルゴメータの測定機器として妥当性が証明された。 踏力と酸素摂取量の関連性に関する機材を設置した。踏力をAD変換し、統計処理を行うソフトウエアを構築中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
体力レベルの異なる対象者2人が1つの負荷を共有する時の乗り手相互の負荷の分配を明らかにする。つまり、酸素摂取量から乗り手相互の依存性を求める。体力レベルの高い群と体力レベルの低い群を構成する。2つの群の体力レベル(対体重酸素摂取量)の差がどの数値(絶対値と相対値)になった時に同一の負荷でペダリングできるのかを求める。 対象者は、健康成人男性40名程度を予定する。それぞれの最大酸素摂取量は自転車エルゴメータを用いて求める。個々の最大値の10~30%の差がある負荷を加えたタンデム自転車エルゴメータを15分漕ぎ、その時の心拍数と酸素摂取量を求める。運動負荷に対する呼吸循環機能の評価を行う。指標として心拍数、酸素摂取量、血圧、呼吸交換比を用いる。心拍数は、胸部双極誘導から求める。酸素摂取量は、ダグラスバック法から求める。血圧は、水銀式血圧計を用いて求める。呼吸交換比は、ダグラスバック法で分析した酸素濃度と二酸化炭素濃度の比から求める。Passive movementの評価は、踏力計を用いて行なう。踏力計は、ペダル上面に設置し、踏力を電位変換することにより求める。得られた数値をAD変換し、踏力とする。 乗り手相互の体力レベル差が大きいほど相互の依存性が体力レベルの高い乗り手に掛かるのか、それとも低い乗り手に掛かるのかをことを証明する。得られた知見に基づき、高齢者や低体力者の健康づくりにタンデム自転車エルゴメータを応用する。踏力と酸素摂取量の関連性が明らかになれば、左右の下肢における酸素摂取量を個別に評価できることになる。この知見から、スポーツ障害等からのアスレティックリハビリテーションの方法論としてのタンデム自転車エルゴメータの応用が可能となる。これらの成果は、ヨーロッパスポーツ科学会議(ECSS)にて発表し、国際学会誌に投稿する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
-
[Presentation] Suitability of modifird tandem-bicycle ergometer
Author(s)
S Onodera, A Yoshioka, H Yamaguchi, N Matsumoto, K Nishimura, T Saito, K Arakane, S Hayashi, Y Takagi, K Furumoto, B Wooram, T Takahara, K Katayama, F Ogita
Organizer
17th Annual Congress of the European College of Sports Science
Place of Presentation
Oud Sint-Jan Congress Centre(Bruges, Belgium)
-
-
-
[Presentation] Cardiorespiratory responses in exhaustive tandem-bicycle ergometer exercise
Author(s)
S Onodera, K Katayama, F Ogita, T Saito, A Yoshioka, K Nishimura, H Kawano, S Hayashi, T Wada, M Murata, Y Takagi, K Furumoto, T Iida, K Seki, H Yamaguchi, N Matsumoto
Organizer
18th Annual Congress of the European College of Sports Science
Place of Presentation
National Institute of Physical Education of Catalonia(Barcelona, Spain)