2012 Fiscal Year Research-status Report
幼児及び児童における下肢筋厚の発達と疾走能力との関係
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24500687
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
船津 京太郎 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (10259658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (70300473)
長谷川 伸 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (70350444)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋厚 |
Research Abstract |
【目的】本研究においては3-8才の幼児・児童を対象として、過去の研究よりも各年齢各性の対象者数と年齢幅を広げ、形態、および超音波法により下肢の脂肪厚、筋厚を測定し、特に筋厚に着目し幼児期から児童期前半にかけての下肢の筋の量的発育変化と性差、部位差を明らかにすることを目的とした。 【方法】本研究の被験者は3才から8才の幼児、児童である。私立J幼稚園に在籍する園児188名、総合型地域スポーツクラブLのキッズスポーツ教室に通う幼児17名、幼児を対象として北九州市と総合型地域スポーツクラブL との協働で行った運動教室に参加した幼児83名、近隣の小学校に通う児童1~3年生が273名、計561名であった。 【結果・考察】 1)下肢の皮下脂肪厚は女児において有意に高い値を示し、性差が認められた、2)下肢筋厚には有意な年齢の主効果が認められ、年齢と共に増加した、3)大腿部筋厚は、児童期前半において男児は大腿後部、女児は大腿前部でより高い値が観察され、発育の性差が認められた。 4)下肢筋厚の部位別の発育量は、女児は全ての部位において一定の速度で発育するのに対し、男児は児童期前半から大腿前部の速度が低下し、大腿後部の速度が上昇することが示され、男児の下肢筋群の間には発育の部位差が存在した、5)下肢筋厚において、男児5-6才、女児4-5才にかけての発育量が他の隣接する年齢間のそれより大きかった。したがって、幼児期における筋の量的な発育に男女間に1年程度のずれが生じることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は、平成24年度から26年度にかけて一つずつ研究を予定していた。24年度はそのうち1つの研究を雑誌に掲載済みである。 ○3-8歳児における下肢筋厚の発育と性差「体力医学会、体力科学、Vol61(5)、2012.10.1」。 2つ目の研究である○3-8歳児における下肢筋厚の発育と疾走能力との関係「体力医学会、体力科学、Vol62(2) 、2013.4.1」が25年度に入り掲載された。現在は3つ目の研究である「子どもにおける下肢筋厚と疾走動作との関係」に関する測定を終了した。成果を同等の雑誌掲載することを目指しており、おおむね順調な進行具合である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は①筋の発育、②疾走能力、③疾走動作の相互関係を明らかにし、運動プログラム作成の手掛かりにしようとするものである。現在までは①子どもの下肢の筋厚の発育とその性差、②子どもの下肢の筋厚の発育と疾走能力の関係(平成25年度)について明らかにした。現在は3つ目の研究である「子どもにおける下肢筋厚と疾走動作との関係」に関するデータ処理を進行中であり、子どもの下肢筋厚の発育と疾走動作(フォーム)の関係について明らかにする予定である。今年度一杯の雑誌掲載を目指している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一連の本研究において、残すは③子どもの下肢筋厚と疾走動作の関係、である。現在は論文として執筆中であり、2年目である25年度内での雑誌掲載を目指している。状況次第では、遅くとも3年目(平成26年度)にまでの掲載を目指している。 次年度の研究費はデータ処理に関わる人件費と、学会発表のための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)