2013 Fiscal Year Research-status Report
幼児及び児童における下肢筋厚の発達と疾走能力との関係
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24500687
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
船津 京太郎 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (10259658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村木 里志 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (70300473)
長谷川 伸 九州共立大学, スポーツ科学部, 准教授 (70350444)
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Keywords | 筋厚 / 発育 / 疾走能力 / 疾走動作 / 動作解析 / 超音波 |
Research Abstract |
【研究期間内での達成目標】 本研究の目的は、思春期前における疾走能力および疾走動作と下肢の筋の発育との関係を明らかにすることである。 【平成25年度の成果】 平成24年度は3~8歳児561名の下肢筋厚の測定を行い、思春期前における下肢筋厚の発育とその性差を検討し、学術誌に掲載された。平成25年度は、同様に3~8歳児を対象として、疾走能力の発達と下肢筋厚の発育の関係を検討した。その結果、下肢筋群の中でも大腿後部や下腿後部筋厚と疾走能力の中でもストライドとの間に有意な関係が認められ、思春期前においてすでに成人と同様に大腿後部、下腿後部の筋群が疾走能力に影響を及ぼすことが示された。この成果は学術誌に掲載済みである。 計画段階では平成25年度に上記研究を行い、26年度に次の課題(第3ステージ)である「児童における下肢筋厚と疾走動作との関係」に着手する予定であった。しかし、第2ステージまでの研究が計画通りに進行し、成果の発表まで順調に達成できたため、計画を早めて第3ステージに着手し、成果の発表まで完了した。第3ステージの研究においては下肢の筋厚(大腿後部、下腿後部)はピッチに関係する疾走動作要因と有意な関係にあることが示された。疾走速度とピッチの関係であるが、男児は疾走速度とピッチとの間に有意な関係はなく、女児は有意な関係が認められた。このことから、男児は下肢の筋厚は直接的には疾走能力に影響を及ぼさず、女児は下肢筋厚が直接的に疾走能力に影響を及ぼすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
被験者の確保、研究体制の構築、測定・実験の実施、データ処理、論文執筆、論文投稿という一連のサイクルが順調に進行したため。特に被験者の謝礼や、実験補助、データ処理補助に要する経費を科学研究費で賄えたことが順調に研究が進んだ大きな理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた第3クールまでの計画が終了した。平成26年度は、研究から得られた成果を学会や論文で公表すると同時に、一連の研究を通して浮かび上がった課題を検証する必要がある。本研究を通して、下肢の筋厚の発育には男女差が認められ、男児には下肢の筋群の部位差が認められた。さらに、下肢の筋の量的発育が疾走能力や疾走動作に及ぼす影響にも男女差が認められ、年齢差も確認された。したがって本年度はまず第3クールで行った下肢筋厚と疾走動作との関係の追加実験を行い、疾走動作の男女差および下肢の筋の量的発育疾走動作に及ぼす男女差の要因を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ処理に係る人件費として計算していた額が、予想よりも少ない額で済んだ。これはデータ処理の方法を改善したためためである。さらに、九州大学の村木里志准教授へあてていた分担金が次年度に繰り越されたためでである。 一連の研究の成果発表に係る経費および研究の結果浮かび上がってきた課題の検討ための追加実験に係る被験者手当、測定費に用いる予定である。
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Research Products
(4 results)