2014 Fiscal Year Annual Research Report
多様な動きからみる幼児期の運動遊びの検討~小学校低学年体育科とのつながりと相違
Project/Area Number |
24500693
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
吉田 伊津美 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (30335955)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 基本的な動き / 幼児 / 低学年 / 運動遊び / 体育 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は運動遊びの教育課程への位置づけ(目的4)と効果の検証であった(目的4)。これまで行ってきた「運動遊びの中に見られる動き」の結果を参考に「多様な動きを経験するための遊び一覧表」の精緻化を図り実践した。 本研究の目的は、発達の連続性の立場から(1)幼稚園で行われている運動遊びと、(2)小学校低学年の体育科で扱われている基本的な動きを抽出、(3)両者の比較から幼稚園における運動遊びと指導のあり方を見直し、(4)効果を検証することであった。45種の基本的な動きのチェック表を用い、幼稚園と小学校低学年の担任に各学期3年間にわたって評定してもらった。その結果、見られやすく頻度の高い動き、頻度の低い動きが明らかとなった。また、年長児は頻度の高い動きの数が学期を重ねるごとに高くなり3学期には半数以上の動きの頻度が非常に高く、多様な動きの経験をしていた。これに対し小学校1年生は3学期を通して頻度の高い動きの数が他の学年と比較して極端に少なく(4~13%)、特に「力試しの運動遊び」に示される動きでは頻度の高い動きは見られなかった。このことから1年生体育において幼児期の運動遊びを踏まえた内容になっていない可能性が示唆された。幼稚園での運動遊びを動きの視点等から見直した結果、小学校入学後に対象園出身児童の運動能力が他園出身者と比較し有意に高い種目があり、取り組みの効果が認められた。また担任は、幼児の運動遊びへの取り組み方について、進んで戸外に出るようになったこと、体を動かす遊びに積極的に取り組むようになったことを強く実感していた。さらに保護者においても体を動かすことが好きであると評価した割合は高かった。担任は年間を通して幼児が経験している動きの種類が増加したと感じており、多様な動きを引き出すための配慮が効果的になされていたと考えられた。 本研究の成果をまとめたリーフレットを作成した。
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